内容説明
芭蕉の創造性を読む。「芭蕉発句評唱、」芭蕉発句をいかに玩味しうるかに挑戦した一連の論稿を、全作はじめてここに公刊する。学問的徹底と透徹した感性に裏づけられた読解の妙を論述。さらに、著者の発想の大もとを形づくる基いとなった、芭蕉の根源的な思弁を解き明かそうとする意欲的な論究をそなえる。そして最後に、芭蕉紀行文の可能性を探る、大胆な読解の試みを提示する。
目次
芭蕉(蕉風俳諧の成立;蕉風の表現と方法;紀行と俳文;芭蕉以降)
芭蕉発句評唱(時雨考;ひとつ考 ほか)
芭蕉の創意(モノ考;眺望・鬼哭・傷心―平泉と須磨;この道と人声;春雨・蜂の巣・蜘蛛の囲;詩の流行と俳諧)
笈の小文・更科紀行・嵯峨日記―本文・現代語訳解・解説 概説(凡例;笈の小文;更科紀行;嵯峨日記;概説)
著者等紹介
上野洋三[ウエノヨウゾウ]
1943年、東京生。1971年京都大学大学院博士課程修了。京都府立大学、大阪女子大学、国文学研究資料館を経て、九州大学大学院人文科学研究院教授を勤める。近世日本文学専攻。大阪女子大学名誉教授。2022年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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