内容説明
名所は作法に則って味わうべきであり、人は皆それをわきまえておく必要がある―明石八景は寛文8年(1668)、明石藩主松平信之が領内の名所八つを選び、幕府儒官林鵞峰らに詩文を委嘱したもの。中世の終わりから近世にかけて、日本各地で数多くの「八景」がつくられた。明石八景もまたこのような流行から生まれた作品だが、そこには風景を文学的伝統と結びつけて鑑賞しようとする考え方が潜んでいる。本書では明石八景をうたった漢詩や発句を読み進めながら、当時の人々が風景をどのようにとらえていたか、美意識と定型はいかなる関係にあるのか、といった問題を分かりやすく解説する。ひろく和漢洋の文学を視野におさめつつ、講演形式のやさしい語り口で展開される議論は軽妙暢達。明石の地域史としてのみならず、古典入門としてもおすすめの一冊。
目次
1 明石八景を読む
2 明石八景 本文と注釈(附 明石八景地図)
3 明石文学散歩(播磨国風土記;菅原道真;源氏物語;平家物語;西山宗因;松尾芭蕉;井原西鶴;夏目漱石)
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