内容説明
奈良時代には幾度もの政争が繰り返されたが、その要因はいずれも皇位継承を要因とするものであった。そのような政治推移のなかでの、藤原不比等と四子、長屋王の変と藤原武智麻呂、橘奈良麻呂の変と恵美押勝を詳細に分析して、これら政争の真相に迫る。また光明皇后の政治的領導性を実証し、光明皇后、孝謙女帝と異母姉妹井上・不破内親王など女性の政治動向にも焦点をあわせ考察する。
目次
第1部 奈良時代の貴族官人(藤原不比等と四子;長屋王の変の首謀者―藤原武智麻呂ら陰謀説の否定に答える;山背王について―生年と命名の検討;橘奈良麻呂の変の密告について;県犬養佐美麻呂と橘奈良麻呂の変についての試論;塩焼王についての考察;吉備真備らの文室浄三擁立寸考;五百枝王と『萬葉集』―再び最終編纂者試論)
第2部 奈良時代の女性(光明皇太后の政治的思惑―藤原仲麻呂との合意と乖異;県犬養橘三千代と県犬養広刀自;橘佐為の娘たち―古那可智・麻都我姉妹の政治動向を中心に;井上内親王について―聖武天皇々女と奈良朝政治史の動向;不破内親王寸描―生年と親王籍剥奪;藤原房前の娘と藤原百能―藤原豊成をめぐる双曲線)
著者等紹介
木本好信[キモトヨシノブ]
1950年12月兵庫県生まれ。2003年3月博士(学術)。山形県立米沢女子短期大学教授、甲子園短期大学学長を経て、龍谷大学文学部教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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