内容説明
本書は故服部匡氏の論文のうち主要なものを選んで一書の形にまとめたものである。氏の幅広い関心を反映し、論文には音調・終助詞・方言に関わるもの、否定・疑問・尺度性などの論理的な意味要素に関わるもの、言語の通時変化に関わるもの、電子媒体の言語研究資料に関わるものが多い。独自性の高い思索は示唆に富み、これまでにも多くの研究者に刺激を与えてきた。将来にわたって関連する研究の発展の出発点となることであろう。
目次
音韻と意味(動詞のアクセント変化における意味特性の関与について)
終助詞(汎性語の終助詞ワについて;終助詞ネの音調に関する森山説への疑問 ほか)
否定・疑問(現代語における「~か」のある種の用法について;現代語における「~か」のある種の用法について(補遺) ほか)
尺度性・相対性(アマリ~ナイとサホド(ソレホド)~ナイ
「大して(~ない)」、「大した」について ほか)
文体(「~シテイル」と「~シテオル」―戦後の国会会議録における使用傾向調査;複合格助詞関連形式での丁寧形/普通形の対応関係―コーパスに基づいた研究 ほか)
著者等紹介
服部匡[ハットリタダス]
1957年、三重県津市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学(言語学専攻)。同志社女子大学表象文化学部日本語日本文学科教授。2020年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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