研究叢書<br> 日本鉱物文化語彙攷

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研究叢書
日本鉱物文化語彙攷

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  • サイズ A5判/ページ数 452p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784757608818
  • NDC分類 459.04
  • Cコード C3381

出版社内容情報

本書は砂石や岩石、玉石と多様なかかわりを持ち、重層する鉱物観を持つに至った日本文化を通史的にたどり考えた、類のない書である。我々は鉱物を無機物とする現代社会に生きながら、各地に残る石の俗信に懐かしさを抱き、生長する石の永遠性を言祝ぐ古歌を国歌とし、盆石や石庭などを日本文化の精神性を表わすものとして世界に紹介さえしている。
本書は、砂石や岩石、玉石と多様なかかわりを持ち、重層する鉱物観を持つに至った日本文化をたどった類のない書である。古歌から明恵上人、木内石亭、本草学由来の種名、西洋鉱物学、近代以降の学術名まで時代を問わず石をめぐり、日本文化の特質を考える。

前篇 日本の鉱物観 
序章 日本の鉱物観の重層

第一章 日本の岩石観 
1 「さざれ石のいはほとなりて」
 はじめに
 1 「生石」
 2 砂の生長段階
 3 砂の名の二系列
 4 イシ・サザレイシ(ササライシ)
 5 子持石・子産石
 6 イハ・イハホ・カチハ・トキハ
 おわりに
2 ものを言う石
 はじめに
 1 「磐根・樹立・草の垣葉をも語止めて」
 2 為政者にもの言う石の伝説の可能性
 3 我が国におけるもの言う石の性格
 4 常識によって沈黙させられる石
 おわりに
3 「木石心なしとは申せども」
 はじめに
 1 仏典・漢籍の岩石観の受容
 2 日本の木石観
  2―1 「草木国土悉皆成仏」 
  2―2 「木石心なしとは申せども」
  2―3 望夫石伝説
3 「石とならまほしき」
4 明恵上人の砂―光明真言加持土砂の日本的変容―
 1 棺の中に散らされる土砂
 2 加持土砂の由来と日本古典の用例
 3 土から砂へ
 4 明恵上人の文章におけるイサゴ等
 5 加持砂の功徳
 6 明恵上人の加持砂の採取地
 おわりに 

第二章 日本の玉観 
1 「沼名河の底なる玉」
 はじめに
 1 「沼名河」の所在
 2 「沼名河の」の歌の解釈
 3 古歌の特徴を持つ「沼名河の」の歌
 4 日本産翡翠の考古学的研究
 おわりに
2 『和名類聚抄』の「玉類」項について
 はじめに
 1 「玉類」という項目立て
 2 『和名類聚抄』と『広雅』
 3 「玉」と「珠」
 4 「水精」と「火精」
 5 「雲母」と「?瑰」 
3 玉冠の色玉―『延喜式』の規定―
 1 『延喜式』の規程
 2 水精と琥珀
 3 玉の色
 4 色玉の材
 5 玉信仰

第三章 江戸時代の石の文化の諸相――『雲根志』の世界――
  はじめに
  考察
  おわりに
  参考? 『雲根志』目次一覧
  参考? 『雲根志』引用和歌俳句一覧

第四章 西洋の鉱物観の受容
 1 蘭学における西洋鉱物学の紹介
  1 三有学における「鉱物学」
  2 西洋鉱物学の紹介(分類法)
   2―1 前野良沢(蘭化)訳『金石品目』
   2―2 『厚生新編』続稿二十七巻「石」の項
   2―3 宇田川榕菴『舎密開宗外篇稿本』
 3 西洋鉱物学の紹介(命名法)
  4 西洋鉱物学の概論的紹介
  5 明治時代における蘭学の評価
 2 「金石」から「鉱物」へ―水は鉱物か― 
  1 「金石」と「鉱物」
  2 鉱物の三体
  3 現在の鉱物学書における水
  4 五行思想における水と石
 おわりに
3 「金類」から「金属」へ―元素論との関わり―
 1 「金ニ非ズ、石ニ非ズ、玉ニ非ズ、土ニ非ズ」
 2 「礦」という訳語
 3 「金属」という訳語
 4 『格物入門』の「金属」
 5 「五金」と「七金」

後篇 日本の鉱物名 
序章 日本の鉱物名の重層

第一章 和名 
1 「むかしのたゞしき名」―金石玉類の和語名― 
 1 用例
 2 用例の整理
 3 考察
2 江戸時代後期の金石和名
 1 資料の説明
 2 本節で取り上げる「和名」
 3 考察
 3―1 「金類」
 3―2 「玉類」
 3―3 「石類」
 3―4 「鹵石類」
和名一覧

第二章 学術名 
1 明治期の術語名の模索―和田維四郎著『金石学』― 
 1 明治期の鉱物学
 2 『金石学』の鉱物名
 3 和田の鉱物名の取り上げ方
 4 和田の訳法の説明
 5 和田の取り上げた和名
 おわりに
2 現在までの術語名の変遷
 はじめに
 1 小藤文次郎他編『鉱物字彙』の術語の分析
 2 森本信男他著『鉱物学』の鉱物名
  2―1 用例
  2―2 『鉱物学』に使用されている漢語名について
 3 『鉱物学』に見られる交ぜ書きの問題
 4 新鉱物名の命名法
 5 宝石名

第三章 語誌数題 
1風信子―花と宝石と―
 1 「風信子」花
 2 「風信草」
 3 「風信子」石
 4 ヒヤシンスの色
2 翡翠―鳥と宝石と―
  はじめに
 1 鳥の「翡翠」
 2 明代の「翡翠」鳥
 3 江戸時代の「翡翠」鳥の議論
 4 江戸時代以前の日本の「翡翠」鳥
 5 「翡翠」という色
 6 宝石名の「翡翠」
 7 明治以降の鉱物学における「翡翠」の名の変遷
  おわりに
3 金剛石―研磨石と宝石と― 
 1 『本草綱目』の「金剛石」
 2 金剛鑽と金剛砂
 3 舶来の「金剛石」
 4 明治期における「金剛石」
4 水晶―晶光から結晶へ―
 はじめに
 1 『本草綱目』の「石英」と「水精」の説明
 2 江戸期本草学における「石英」と「水精」をめぐる議論
  2―1 貝原益軒の水晶総称説
  2―2 平賀源内の一物二種説
  2―3 寺島良安の生成場所相違説
  2―4 木内石亭の透明・不透明説
  2―5 小野蘭山の異称同質説
  2―6 その他
 3 「水精」と「水晶」
  3―1 「水精」
  3―2 「水晶」
 4 外国語の訳語としての「水晶」
 5 「結晶」
 6 「結晶石」から「水晶」へ
 おわりに

あとがき
初出一覧

吉野政治[ヨシノマサハル]
著・文・その他

内容説明

我々は鉱物を無機物とする現代社会に生きながら、各地に残る石の俗信に懐かしさを抱き、生長する石の永遠性を言祝ぐ古歌を国歌とし、盆石や石庭などを日本文化の精神性を表わすものとして世界に紹介さえしている。本書では、砂石や岩石、玉石と多様なかかわりを持ち、重層する鉱物観を持つに至った日本文化をたどり、その豊かさと特質を考える。

目次

前篇 日本の鉱物観(日本の鉱物観の重層;日本の岩石観;日本の玉観;江戸時代の石の文化の諸相―『雲根志』の世界;西洋の鉱物観の受容)
後篇 日本の鉱物名(日本の鉱物名の重層;和名;学術名;語誌数題)

著者等紹介

吉野政治[ヨシノマサハル]
1949年福岡県に生まれる。1975年同志社大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、同志社女子大学(表象文化学部)特任教授、一般財団法人新村出記念財団理事、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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言葉の足跡を真剣に辿り、綴ると一種の文学になるのだな、と思えます。非常に魅力的。2022/05/23

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