出版社内容情報
形式語(転成形式)を対象とする、現代日本語文法・コーパス言語学・対照研究など最新の研究成果を収めた、日本語文法研究の必読書。形式語(転成形式)を対象とする、現代日本語文法・文法史・コーパス言語学・方言研究・対照研究など様々な立場からの最新の研究成果を収めた、日本語文法研究の必読書。資料として方言の形式語関係文献目録を付す。
はじめに
【研究論文】
古代語における形式用言を用いた複合辞とその用例 小田 勝
中古語の複合辞ニソヘテについて 辻本桜介
近世における副詞「なんと」の働きかけ用法
―感動詞化の観点から― 深津周太
逆接確定辞を含む[接続詞]の歴史 矢島正浩
「頃」の用法と歴史的変化―現代語・中古語を中心に― 岡?友子
明治・大正期のニオケル―連体タイプと非連体タイプの消長― 三井正孝「(だ)からこそ」「(だ)からといって」「(だ)からか」について 馬場俊臣
経緯を表す「?というので」という言い方について 藤田保幸
比例関係を表す形式語の表現
―「につれて」「ほど」「だけ」「すればするほど」などをめぐって―
森山卓郎
「分」の副詞用法と名詞用法 江口 正
〈対立〉と〈並立〉―「取り立て」の体系構築をめざして― 藪崎淳子
使役動詞「V-(サ)セル」の状態詞化
―使役動詞性の希薄化のひとつの類― 早津恵美子
性質・状態・動作を表す名詞述語文の「連体型」と「単独・連用型」
―「文末名詞文」の解消― 丹羽哲也
複合辞の「ものだ」と「ことだ」について
―形式語としての「もの」「こと」の観点から― 高橋雄一
分析的な表現手段の存在意義―可能性の形式をめぐって― 宮崎和人
現代日本語における「動詞+〈其他否定〉表現」構文の実態 茂木俊伸時代小説におけるノデアッタ・ノダッタ 揚妻祐樹
「?テございます」の使用傾向の推移
―「?テある」「?テいる」との対応関係に注目して― 服部 匡
国会会議録における質問終了場面の敬語 森 勇太
形態論的特徴から見た複合辞
―『現代日本語書き言葉均衡コーパス』の形態論情報を利用して―
山崎 誠
西日本方言における「と言う」条件形の提題用法
―富山県砺波方言の「ユータラ」と広島県三次方言の「イヤー」―
小西いずみ
関西方言の知識共有化要求表現の地域差
―ンヤンカ類のバリエーションの発生メカニズム― 日高水穂
関西方言における名詞・形容動詞述語否定形式ヤナイ・ヤアラヘン・トチガウの諸用法 松丸真大
形式語と虚辞 山東 功
中級以降で指導が必要なテシマウの用法について
―学習者と母語話者の使用状況調査に基づく考察― 砂川有里子
形式名詞「つもり」と意志表現―中国語と対照して― 中畠孝幸
日本語における単一格助詞「に」を伴う複合格助詞とそれに対応する朝鮮語の表現について―対照言語学からのアプローチ― 塚本秀樹
日本語系クレオール語(Yilan Creole)の形式動詞・覚書 真田信治
【資料】
方言の形式語関係文献目録 小西いずみ
英文目次(Contents)
藤田保幸[フジタヤスユキ]
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山崎 誠[ヤマザキマコト]
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内容説明
形式語(転成形式)を対象とする、現代日本語文法・文法史・コーパス言語学・方言研究・対照研究などさまざまな立場からの最新の研究論文28編を収め、形式語研究の現在の水準を示した論文集である。2006年刊行の『複合辞研究の現在』、2013年刊行の『形式語研究論集』を承けて、その後の研究の成果を集約した。日本語文法研究の現在を知るうえで必読の書である。資料として「方言の形式語関係文献目論」を付す。
目次
研究論文(古代語における形式用言を用いた複合辞とその用例;中古語の複合辞ニソヘテについて;近世における副詞「なんと」の働きかけ用法―感動詞化の観点から;逆接確定辞を含む「接続詞」の歴史;「頃」の用法と歴史的変化―現代語・中古語を中心に;明治・大正期のニオケル―連体タイプと非連体タイプの消長;「(だ)からこそ」「(だ)からといって」「(だ)からか」について
経緯を表す「~というので」という言い方について ほか)
資料 方言の形式語関係文献目録
著者等紹介
藤田保幸[フジタヤスユキ]
龍谷大学文学部教授。博士(文学)
山崎誠[ヤマザキマコト]
国立国語研究所研究系言語変化研究領域教授。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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