出版社内容情報
著者が体験した町家の取得から再生、暮らしまでをまとめたガイドブック。多数の写真と共に町家暮らしの魅力を伝える。本書は、著者が体験した町家の取得から再生、そして暮らしまでをまとめたもの。町家の保全とは、建物そのものの保存だけではなく、そこで暮らしてこそが最良の方法であるという視点から、町家での暮らしの中に見いだされる日本人の感性を様々に愉しむことを通して、町家の魅力と価値が具体的に示される。町家暮らしをしたいと思っている人たちへのガイドブックとして最適。
はじめに
京町家を愛する人々へ
1.京町家とは
1-1 京都という都市の形成と町家
町家の原型 洛中洛外図に見る町家の変遷 町家の変貌
1-2 京町家の定義
町家と民家 様々な町家
1-3 町家の解剖学
一文字瓦 格子 虫籠窓 化粧軒 犬矢来とばったり床几 鍾馗像 ケラバ ミセ土間 玄関 火袋 大黒柱と小黒柱 井戸 荒神棚 神棚・社 火廼要慎 奥の間 奥庭 蔵
2.町家を取得する
2-1町家物件の光と影
町家取得のジレンマ問題 解体される町家 小動物との付 き合い方 ネコの問題 ネズミの問題 行動分析学からの対策 その他の小動物
2-2不動産物件を探す
土地と上物の価値 町家物件探しの楽しみ 様々な町家物件 町家物件の建築年代 町家物件の立地 既存不適格とは
2-3 競売物件を探す
競売物件の探し方 競売物件のリスク 現況調査報告書から見える人の行動
2-4 町家取得の?末記―七条が九条になって
町家探しのエピソード 七条の町家 九条の町家
3.町家を再生する―町家建築と日常生活の調和
3-1 町家再生の第一歩
耐震診断補助 町家改修補助 木材現物支給 町家保全の取り組み
3-2 工務店選び
工務店の情報 改修工事の見積もり
3-3 改修経費は高すぎないか
改修費を抑える工夫 自己調達 自助努力とボランティア
3-4 再生計画を楽しむ
改修プランづくり 改修の考え方 改修の概要 建具の転用と断熱対策 洗いと清掃 電気・ガス・水道 照明器具 奥庭の照明 インナーサッシとエアコン
3-5 改修工事管見―改修工事から見えてくること
基礎の構法 古材の再利用 換気口 桔木構法 対面する床の間 地下室 建具の意匠デザイン
3-6 工務店選びの?末記―楽しみから奈落へ
工務店に振り回される 過大な見積もりの謎 失敗した工務店選び 建築業界の悪弊 施主と工務店の間のジレンマ 町家保全の新たな視点
4.町家暮らしを愉しむ
4-1 陰影礼讃―障子や御簾が生み出す光と影を愉しむ
4-2 座敷飾りの魅力―美術品・工芸品を愛でる
床脇の飾り 床の間の飾り 江戸絵画を愉しむ
4-3 奥庭の景色―「市中山居」の趣を愉しむ
石組みを愉しむ 早春景を愉しむ 夏景を愉しむ 紅葉を愉しむ 冬景を愛でる
5.京町家歳時記―八百万の神々に祈り、守られる暮らし
春[椿・桜・上巳の節句・伏見稲荷大社の神幸祭]
夏[端午の節句・納涼床・建具替え・カジカ鉢・五山の送り火・地蔵盆]
秋[藤袴・中秋の名月・虫の声・六孫王神社の宝永祭・紅葉賀]
冬[東寺の弘法市・正月飾り・祝い膳・投扇興・雪景色]
引用文献
あとがき
伊藤 正人[イトウ マサト]
1982年3月 慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了 文学博士 現在 大阪市立大学名誉教授
この間、カリフォルニア大学サンジェゴ校訪問教授(1982?1983)。京都大学霊長類研究所共同利用研究員(1989?1990)。Journal of the Experimenntal Analysis of Behavior 編集委員(1990?1993)などを努める。日本心理学会研究奨励賞受賞(1992)
専攻 学習心理学、行動分析学
著書 『行動と学習の心理学:日常生活を理解する』昭和堂(単著)2005
『心理学研究法入門:行動研究のための研究計画とデータ解析』昭和堂(単著)2006
『現代心理学:行動から見る心の探究』昭和堂(共著)2013
内容説明
工務店選びから町家再生の工夫まで。町家暮らしをしたいと思っている人たちへのガイドブック。取得から再生、そして暮らしまでを紹介。
目次
1 京町家とは(京都という都市の形成と町家;京町家の定義;町家の解剖学)
2 町家を取得する(町家物件の光と影;不動産物件を探す;競売物件を探す;町家取得の顛末記―七条が九条になって)
3 町家を再生する―町家建築と日常生活の調和(町家再生の第一歩;工務店選び;改修経費は高すぎないか;再生計画を楽しむ;改修工事管見―改修工事から見えてくること;工務店選びの顛末記―楽しみから奈落へ)
4 町家暮らしを愉しむ(陰翳礼讃―障子や御簾が生み出す光と影を愉しむ;座敷飾りの魅力―美術品・工芸品を愛でる;奥庭の景色―「市中山居」の趣を愉しむ)
5 京町家歳時記―八百万の神々に祈り、守られる暮らし(春「椿・桜・上巳の節句・伏見稲荷大社の神幸祭」;夏「端午の節句・納涼床・建具替え・カジカ鉢・五山の送り火・地蔵盆」;秋「藤袴・中秋の名月・虫の声・六孫王神社の宝永祭・紅葉賀;冬「東寺の弘法市・正月飾り・祝い膳・投扇興・雪景色」)
著者等紹介
伊藤正人[イトウマサト]
1948年生まれ。1982年3月慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。文学博士。現在、大阪市立大学名誉教授。この間、カリフォルニア大学サンジェゴ校訪問教授(1982~1983)。京都大学霊長類研究所共同利用研究員(1989~1990)。Journal of the Experimental Analysis of Behavior編集委員(1990~1993)などを務める。日本心理学会研究奨励賞受賞(1992)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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