研究叢書<br> 万葉集防人歌群の構造

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研究叢書
万葉集防人歌群の構造

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  • サイズ A5判/ページ数 318p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784757608139
  • NDC分類 911.12
  • Cコード C3395

出版社内容情報

防人歌とは防人集団の中でも上層階級の者の歌であると結論付けた上で各国の防人歌を歌群として位置付けし、形成を論じる一書である。本書は、大伴家持が天平勝宝七歳の防人徴収時に、東国防人たちの歌を蒐集して『万葉集』巻二十に収載した「防人歌」を考察の対象とする。
第一部では、防人歌作者名表記を詳細に分析し、「父母思慕」の歌や「妹」を詠み込む歌等の検討を行うことにより、防人歌とは、従来から言われてきた貧民階級に属している一般防人兵士の歌ではなく、防人集団の中で役職に就く上層階級の身分の者の歌であると結論付け、防人歌蒐集の目的を、当時の国際状況にまで広げて考察する。
第二部では、第一部を踏まえた上で、各国の防人歌を一つの「歌群」として位置付けつつ、防人歌の形成を論じるものである。そして、現在の防人歌においても、各国の部領使が家持に進上した際の防人歌群の痕跡をあらゆるところに残していることを立証し、その痕跡から、さらに遡及する実際の歌の場までが解明できる可能性を追究するものである。


序 論   
 ? 本論文の主旨と方法
 ? 防人歌の歌群の位置づけ
 ? 防人歌研究史
 ? 本論文の概要
 

第一部 防人歌の作者層と主題

第一章 防人歌作者名表記の方法
 第一節 はじめに
 第二節 防人歌作者名表記の意味―「国造丁」「助丁」「主帳丁」―
 第三節 防人歌作者名表記の意味―「上丁」―
 第四節 各国防人歌の作者名表記
 第五節 進上歌数の意味するもの
 第六節 おわりに
第二章 常陸国防人歌における進上歌数の確定
 第一節 はじめに
 第二節 進上歌数と拙劣歌との関係
 第三節 常陸国防人歌の進上方法
 第四節 おわりに
第三章 防人歌における「父母思慕の歌」の発想基盤
 第一節 はじめに
 第二節 「父母思慕の歌」の分析―丈部の歌を中心に―
 第三節 「孝」の推奨
 第四節 「父母思慕の歌」の作者層
 第五節 おわりに
第四章 防人歌における「殿」の諸相
 第一節 はじめに
 第二節 東国社会における竪穴住居と掘立柱建物との共存
 第三節 中央における「殿」
 第四節 おわりに
第五章 防人歌における「妹」の発想基盤
 第一節 はじめに
 第二節 防人歌における「妻」の発想
 第三節 防人歌における「妹」の発想
 第四節 おわりに
第六章 防人歌作者層の検討
 第一節 はじめに
 第二節 「五教倫理」の教育形態
 第三節 部姓の「郡司子弟」
 第四節 おわりに
第七章 防人歌における「個」の論理
 第一節 はじめに
 第二節 「あれ」と「われ」に関する諸説
 第三節 短歌における「あれ」と「われ」の共存
 第四節 主格にたつ「あれ」と「われ」
 第五節 長歌における「あれ」と「われ」の共存
 第六節 遣新羅使歌における「あれ」と「われ」
 第七節 防人歌における「あれ」と「われ」
 第八節 おわりに
第八章 大伴家持防人歌蒐集の目的ならびに意義
 第一節 はじめに
 第二節 天平勝宝七歳前後の歴史的状況
 第三節 天平勝宝七歳前後の国際的状況
 第四節 大伴家持を取り巻く政治的状況
 第五節 家持防人歌蒐集の目的
 第六節 おわりに

第二部 防人歌群の歌の場と配列

第一章 防人歌「駿河国・上総国歌群」の成立
 第一節 はじめに
 第二節 上総国防人歌の疑問点
 第三節 疑問点A―日下部使主三中が父の歌―
 第四節 疑問点B―庭中の阿須波の神と難波潟―
 第五節 疑問点C―「君」の指す主体―
 第六節 「駿河国・上総国歌群」の成立
 第七節 おわりに
第二章 下野国防人歌群における配列方法と歌の場
 第一節 はじめに
 第二節 作者名表記による配列方法
 第三節 郡名による配列方法
 第四節 歌の内容面による配列方法
 第五節 おわりに
第三章 「布多富我美悪しけ人なりあたゆまひ」
     ―下野国防人歌・四三八二番歌における新解釈―
 第一節 はじめに
 第二節 「布多富我美」の解釈
 第三節 「あたゆまひ」の解釈
 第四節 おわりに
第四章 常陸国防人歌群の成立
 第一節 はじめに
 第二節 常陸国防人歌群の配列
 第三節 常陸国防人歌群の構成
 第四節 下野国防人歌群との関係
 第五節 「難波詠」の成立
 第六節 おわりに
第五章 武蔵国防人歌群の構成―「昔年防人歌」との比較―
 第一節 はじめに
 第二節 武蔵国防人歌群の構成
 第三節 「国単位表記」の者の歌
 第四節 「郡単位表記」の者の歌
 第五節 「昔年防人歌」との比較
 第六節 おわりに
 結 論

初出一覧
歌索引
あとがき

東城敏毅[トウジョウ トシキ]
一九七〇年 愛知県生 香川県育ち
一九九二年 大阪外国語大学外国語学部モンゴル語学科卒業
一九九五年 國學院大學大学院文学研究科日本文学専攻博士前期課程修了
一九九八年 國學院大學大学院文学研究科日本文学専攻博士後期課程単位取得退学
群馬工業高等専門学校専任講師、准教授を経て、現在、香川高等専門学校教授 博士(文学)

主要論文(本書所収のものを除く)
「住空間の民俗―『風景』の発見と『わがヤド』の成立」上野誠・大石泰夫編『万葉民俗学を学ぶ人のために』(世界思想社、二〇〇三年)
「高橋虫麻呂と『東国』と」中西進編『笠金村・高橋虫麻呂・田辺福麻呂 人と作品』(おうふう、二〇〇五年)
「阿倍仲麻呂の〈憶い〉―『春日なる三笠の山』と遣唐使―」『明日香風』第一三〇号(古都飛鳥保存財団、二〇一四年)

内容説明

「防人歌」とは誰によって詠まれ、どう捉えるべきなのか、その「構造」を明らかにし、学界の定説に挑む。防人歌作者名表記等を詳細に分析することにより、防人歌とは、防人集団の中で役職に就く上層階級の身分の者の歌であると結論付け、防人歌蒐集の目的を当時の国際状況にまで広げて考察する。その上で各国の防人歌を一つの歌群として位置付けつつ、その歌群から、部領使が家持に進上した際の、拙劣歌削除前の「防人歌群」の痕跡を辿り、防人歌の場を追究する。

目次

第1部 防人歌の作者層と主題(防人歌作者名表記の方法;常陸国防人歌における進上歌数の確定;防人歌における「父母思慕の歌」の発想基盤;防人歌における「殿」の諸相;防人歌における「妹」の発想基盤;防人歌作者層の検討;防人歌における「個」の論理;大伴家持防人歌蒐集の目的ならびに意義)
第2部 防人歌群の歌の場と配列(防人歌「駿河国・上総国歌群」の成立;下野国防人歌群における配列方法と歌の場;「布多富我美悪しけ人なりあたゆまひ」―下野国防人歌・四三八二番歌における新解釈;常陸国防人歌群の成立;武蔵国防人歌群の構成―「昔年防人歌」との比較)

著者等紹介

東城敏毅[トウジョウトシキ]
1970年愛知県生、香川県育ち。1992年大阪外国語大学外国語学部モンゴル語学科卒業。1995年國學院大學大学院文学研究科日本文学専攻博士前期課程修了。1998年國學院大學大学院文学研究科日本文学専攻博士後期課程単位取得退学。群馬工業高等専門学校専任講師、准教授を経て、香川高等専門学校教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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