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上方文庫別巻シリーズ
船場大阪を語りつぐ―明治大正昭和の大阪人、ことばと暮らし

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  • サイズ A5判/ページ数 282p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784757607989
  • NDC分類 216.3
  • Cコード C0321

出版社内容情報

明治大正昭和の大阪人による五十の語りを収録。商いを軸とし日常を営んだ船場を中心とした旧き良き大阪を、ありのままに語りつぐ。明治大正昭和期、商業の中心地として繁栄した大阪では、市井の人たちによって培われた知恵や言葉があった。
本書では月刊『大阪人』の「大阪ことばを語りつぐ」より、船場を中心とした大阪の当時の暮らしをありのままに語る五十篇を選び収録。
商いと町の発展のために教育を重んじ、自らの暮らしは律しながら、ほがらかに平和に過ごす日々を愛おしんだ人々の語り口調そのままを伝え、そこから「本来の大阪の姿」が浮かび上がる。
当時の様子を伝える貴重な口絵写真付。


I 大阪弁の妙味
「いてさんじます」「おはよぅおかえり」 宇佐美辰一さん
日本一の乾物商のまち天満・市之側 加藤甚弥さん清子さん 
こんな気楽な会はおませんな 北船場育ち八十二歳の同窓会 

II ごたがいさん
船場をめざし、船場を反面教師にした父 黒田?之助さん
船場のサロン平岡珈琲店のこと 小川 浩さん 
ナイフ、フォークの夕食や日曜ハイキング……道修町開業医一家の健康的生活 上小澤敏行さん 
「えらいおんごくしてますな」「ごきんとさん」 和田慎三さん
名医の多いまち今橋の稲葉医院 稲葉俊雄さん

III 天神さんの庭で 
立派な大阪の先人たちに助けられて 上野誠三郎さん 
天神さんは毎日が縁日のようだした 西川照敏さん 
天満・九丁目筋に流れるおいしいもんの匂いと暮らしの音 棚橋昭夫さん

IV 旧家の春夏秋冬
安堂寺橋の旧家、薬舗浮田五龍圓の小嬢さん 浮田胤子さん
祖父は浪華俳壇の先駆者、水落露  石山田庄一さん 
大阪に誕生した日本最古の民間造船所、藤永田造船のこと 永田常次郎さん 
子どもの時分から道頓堀や千日前は庭のようなものでして 肥田晧三さん 
四天王寺を建設した工人に始まる金剛組一四〇〇年 金剛利隆さん 
大阪に晒し?の製造技術を伝え、産業化した先祖のこと 小森三郎さん 
平野町、本家みすや針のこと 三栖冨美子さん 
大阪の食を支えた、大阪市内農家の四季 西野 彰さん・橋本重雄さん・山本英夫さん 

V 商いは信用と進取
住友家、藤田家本邸にお出入りの表具師 井口藤兵衛さん 
元旦だけは千日前で映画観て、いづもやで鰻丼?八幡筋の漆器屋に奉公するぼんさんの暮らし 川本正幸さん
船場・道修町の誇りを伝える旧本社は重要文化財指定に 小西信一郎さん 
船場の目利き児島嘉助を祖父として 鴻池恭子さん 
ミクロンミルからナノテクノロジーへ――大阪から世界に技術のネットワークを広げて 細川益男さん 
表千家の茶道具を専門に扱う高麗橋の道具商 坂田悦朗さん 
中央市場の鮮魚仲卸商から浪速の市場研究者に 酒井亮介さん 
西横堀・瀬戸物町の伝統を守る 御崎正之さん

VI 喜んでもろてこそ
大阪弁なればこそ天満相生楼 小林阿以子さん・岡本一恵さん・田頭野菊さん   
天牛書店のおっきい嬢ちゃんはミナミ育ちの文学少女 天牛光子さん
今橋の旅館「紫雲楼」のひとり娘として 本多幸子さん 
茶臼山名物、雲水の普茶料理を甦らせる 阪口敦子さん
新町のお茶屋に生まれ、ライフワークは上方の粋と艶 井澤壽治さん
 
VII 子どもは宝
「小さいことはいいことだ!」おまけの発想は上町の路地、島之内の賑わいから 宮本順三さん
日本の近代医学発祥の地・船場のお医者さんの精神を受け継ぐ 阿部源三郎さん 
川と橋に囲まれたものづくりの街 南堀江・隆平橋筋 伊藤忠雄さん
大阪市立御津小学校昭和十七年卒業生の島之内思い出句集 大阪市立御津小学校昭和十七年卒業生
売り手が半分、買い手が半分 秋山哲男さん・金澤忠俊さん 

VIII 芸術も学問も
炎天に土蔵壊して明治去る  山黛 歌川照夫さん
父は船場が育てた日本画家庭山耕園 庭山慶一郎さん 
江戸期から続く上方浮世絵 長谷川貞信の画系 長谷川悦子さん・五世長谷川貞信さん
大阪は知の都。出会った恩人たちのこと 木村元三さん 
江戸堀の七つ蔵、豪商・大庭屋と大坂遠州流 平井勝彦さん
弘化元年開業の鹿田松雲堂と戦前の安土町 四元弥寿さん 
淡路町『中尾松泉堂』と愛書家たち 中尾堅一郎さん 
富永仲基、木村蒹葭堂……近世浪華の文人研究ひとすじに 水田紀久さん

IX 戦争のさなかで
京都から御霊神社に嫁ぎ、平野町のにぎわいに驚き、戦災に遭い…… 園貞尾さん
最愛の父と伯母茅野雅子ありてこその道修町 増田としさん
高麗橋の元・郵便局長は、現代の大阪町人学者 藪内吉彦さん
一度は離れた道修町とふたたび向き合う 三島佑一さん 
大阪の趣味人たちが愛した父の店「乙三洞」 森田楢菊さん

参考文献・あとがき


前川佳子[マエカワ ケイコ]
構成・文
兵庫県西宮市生まれ。立命館大学卒業後、広告作成会社にコピーライターとして勤務、その後、フリーランスに。大阪市発行季刊広報誌『SOFT』取材記事、月刊『大阪人』連載「発掘 The OSAKA」「大阪ことばを語りつぐ」などを担当。

近江晴子[オウミ ハルコ]
監修
昭和16年(1941)生まれ。愛日小学校、船場中学校、清水谷高等学校を経て、昭和38年(1963)奈良女子大学文学部史学科卒業。大学在学中に道修町の会社(工業薬品製造業)の蔵から曾祖母の実家の古文書が見つかり、のちに『助松屋文書』として出版。大阪天満宮宮史編纂委員(昭和59年(1984))を経て現在、大阪天満宮文化研究所研究員。天満の天神さんと船場大阪の生活文化史研究がライフワーク。
著書…『助松屋文書』
共著…『大阪天満宮史の研究』、『大阪天満宮史の研究第二集』、『天神祭―火と水の都市祭礼―』、『聞き書大阪の食事』、『なにわ大阪の伝統野菜』など

内容説明

明治大正昭和の大阪人による50の語りが、船場を中心とした大阪本来のすがたを浮かび上がらせる。商いと町の発展のために教育を重んじ、自らの暮らしは律しながら、ほがらかに平和に過ごす日々を愛おしんだ人々。当時のありのままを、大阪ことばで語りつぐ。

目次

1 大阪弁の妙味
2 ごたがいさん
3 天神さんの庭で
4 旧家の春夏秋冬
5 商いは信用と進取
6 喜んでもろてこそ
7 子どもは宝
8 芸術も学問も
9 戦争のさなかで

著者等紹介

前川佳子[マエカワケイコ]
兵庫県西宮市生まれ。立命館大学卒業後、広告制作会社にコピーライターとして勤務、その後、フリーランスに

近江晴子[オウミハルコ]
昭和16年(1941)生まれ。愛日小学校、船場中学校、清水谷高等学校を経て、昭和38年(1963)奈良女子大学文学部史学科卒業。大学在学中に道修町の会社(工業薬品製造業)の蔵から曾祖母の実家の古文書が見つかり、のちに『助松屋文書』として出版。大阪天満宮宮史編纂委員(昭和59年(1984))を経て現在、大阪天満宮文化研究所研究員。天満の天神さんと船場大阪の生活文化史研究がライフワーク(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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Kaopn

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船場界隈のことを書いた本を探して見つけた1冊。 古きよき大阪を知る人々にインタビューをした本。船場の風習と言ってももちろんひとくくりにできるものではないが、しまつ(節約)を旨とする商売人の多い街であったとはいえ、今の時代からは考えられない豊かな様子がうかがえた。 戦争さえなければ、その片鱗はまだ見ることができたのではないだろうか、と思う。2019/08/18

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