内容説明
精神分析で描く文学変容の歴史。フロイトの精神分析が日本の医学、心理学、文学の分野でどのように論じられたかを概観したうえで、日本近代文学に与えた人間観や文学の方法論の変遷を、森鴎外、中村古峡、内田百〓(けん)、佐藤春夫、中上健次などの諸作品から読み取り、フロイトの思想が果たした役割を解明する。精神分析学による日本近代文学の読み直し。
目次
序章 フロイトと近代日本
第1章 森鴎外によるフロイトの神経症論への言及
第2章 中村古峡「殻」における統合失調症の描写とエピ‐パトグラフィー
第3章 内田百〓(けん)の精神分析的考察―「創造の病」における二人の父
第4章 佐藤春夫「更生記」における精神分析と精神医学
第5章 中上健次におけるフロイトとベイトソン―『魔女ランダ考』の受容をめぐって
終章 精神分析受容と文学の方法論
著者等紹介
新田篤[ニッタアツシ]
愛知県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科共生人間学専攻博士後期課程修了。平成25年3月、博士(人間・環境学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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