内容説明
近世儒学思想史のなかで大塩平八郎に至る陽明学思想により、礼教的教養主義から仁政的政治学へと転換した思想的経緯や、神儒仏などの混交的思想からなる庶民思想と位置づけられてきた石田梅岩『都鄙問答』の思想的基層が陽明学から構成されていたことなど、近世思想史研究に一石を投ずる問題作から構成。
目次
近世朱子学の教養主義化について
梅岩思想の基層としての陽明学的志向
歴史意識から見た頼山陽と大塩後素
大塩思想における三代の治と礼孟思想の核心
大塩平八郎『檄文』の思想
大塩の天文学的関心
大塩平八郎と黄道周
黄宗羲『明儒学案』の陽明学的認識と大塩思想
東林党・顧憲成への大塩の視線
社会福祉思想の先導者・大塩平八郎―森鴎外歴史小説『大塩平八郎』の言説に関連して
大塩聖人論の近代的展開
石崎東国と大正デモクラシー
東アジア共同体構想への基礎理念について
浄瑠璃本『浪華異聞・大潮餘談』
著者等紹介
森田康夫[モリタヤスオ]
1930年大阪市生まれ。立命館大学大学院日本史研究科修士課程修了・文学博士。樟蔭東女子短期大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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