内容説明
源氏物語の巻名は、歌合の歌題にように作者に与えられた物語の“題”であった。古来の歌のことばや歌題から巻名が生じ、巻名から巻々の歌や名場面が作られ、さらに歌を媒介として後の巻に受け継がれ長編化していった過程を明らかにする。本書の巻名論は、引歌や歴史の準拠の問題とも深く関わり、主題論、表現論、成立論に及ぶもので、物語の生成を解明する鍵となる。巻末には巻名の由来となった古歌や事柄の一覧を付した。
目次
源氏物語の和歌的世界
源氏物語の巻名と古歌
古今集と物語の形成
源氏物語の巻名の由来
桐壼・淑景舎・壼前栽
源氏物語の巻名の基盤
源氏物語の中の伊勢物語
源氏物語の和歌と引歌
源氏物語の和歌と稲荷信仰
源氏物語の成立と巻名
紫式部と源氏物語
源氏物語後半部の巻名
源氏物語生成論へ
著者等紹介
清水婦久子[シミズフクコ]
1954年生まれ。帝塚山大学教授。1980年、大阪女子大学大学院文学研究科国語学国文学専攻修士課程修了。2003年、博士(文学・大阪大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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