内容説明
平安末~鎌倉初期の最重要史料・藤原兼実の日記『玉葉』を精読。元暦元年(1184)記は、木曾義仲の滅亡、一の谷合戦、後鳥羽天皇の即位式・大嘗会、春日宮曼荼羅、和歌判起請などの記事を有し、歴史、文学、美術史など多分野で利用されてきた。九条家本を底本として先行刊本の誤りを正した「本文」、古辞書の読みや国語学の成果を取り入れた「書き下し」、平易な「口語訳」を掲げた。関連史料や先行研究を博捜し、記主の語法・文体などを踏まえ、その筆録意識や写本の書写意識のレベルまで掘り下げた解釈を示す詳細な「註釈」によって、古記録の史料読解を新次元へと導く。
目次
解説(藤原兼実とその周辺;『玉葉』について;九条家本『玉葉』について;元暦元年の『玉葉』と兼実;藤原兼実関係略系図;関連京都図;『玉葉』関係文献目録)
元暦元年記註釈(正月小;二月大;三月小;四月小;五月大;六月小;七月小;八月小;九月小;十月小;十一月小;十二月小)
著者等紹介
高橋秀樹[タカハシヒデキ]
1964年神奈川県生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程修了。博士(史学)。日本学術振興会特別研究員、国立歴史民俗博物館歴史研究部非常勤研究員(COE)、東京大学史料編纂所研究機関研究員、青山学院大学非常勤講師などを経て、現在、文部科学省初等中等教育局教科書調査官。専攻は日本中世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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