内容説明
著者は、日本語のやさしさ、難しさ、豊かさ、そして身勝手さも、日常生活の体験を通して数多く発見した。しかし、ことばや習慣の違いからくる誤解や摩擦に、苦労させられたことも少なくない。本書では、身近な例を通して、なぜ誤解が生まれるのか、そのメカニズムの解明に踏み込み、読者と共に異文化理解、多文化社会について考える。
目次
序章 来日当初の体験談
第1章 日本語、不思議発見―外国人を悩ませる「ちょっとした」表現(「いわば、ひとつの」枕ことば;「ちょっと」は百面相;「気配り」は日本語の必需品 ほか)
第2章 漢字の落とし穴―知ると知らぬでは大違い(「酒」は酒でも…;「先生、われわれは不良少年ですか?」;「運動」と「活動」はどう違うのか ほか)
第3章 中国と日本、くらべてみれば―習慣の違いによる泣き笑い(「九」はめでたい数字?―それぞれのタブー;「食べる」縁起もの―中国と日本の習慣と食文化;「いつ身を固めるのですか」―「寿」と「喜」の習慣)
終章 日本人と中国人とのコミュニケーション
著者等紹介
彭飛[ポンフェイ]
1958年中国上海生まれ。中国復旦大学卒業。1984年来日。1993年3月大阪市立大学大学院文学研究科博士後期課程(国語国文学専攻)修了、博士(文学)学位取得。日本学術振興会特別研究員、国際日本文化研究センター客員助教授、京都外国語大学助教授を経て2003年から京都外国語大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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niko
0
この手の話はよく英語と日本語の間で聞きますが、漢字や文化を共有する中国との比較の方が「近いために起こる誤解」があっておもしろいなと思います。この本では、著者がどの日本語を「不思議に思った」のかについて書かれていて、以前中国語を習ったことがあるので既知の話も多かったのですが、それでもつい大笑いしてしまった話もちらほら。2008/07/12
オリーブ
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いつも何気なく使っている『日本語』ですが、私たち日本人は外国の方に疑問を投げかけられても、正確には答えられない表現も多かったんだなと改めて知らされて、日本語の面白さを再確認出来ました。著者が“現代枕ことば”と言う上手い表現をしていた「ちょっと」は、私も日に何度も行ってますね~。「枕ことば」って言うよりも、もう口癖って感じでしょうかね~。 日本語の不思議さに、所々、考え込んだり、笑ったりしながら読めました。2013/08/14