内容説明
文化・経済摩擦の国際化時代における配慮表現。日本語の「配慮表現」は外国人にとって「敬語表現」よりも難しい。日本人の繊細な心遣いのこもった「配慮表現」は「気遣いの美」でありながら、反面、国際舞台での文化摩擦・経済摩擦を発生させる原因となることも少なくない。中国語を母語として育った著者は、「配慮表現」を現代日本語の重要な特色の一つとする立場から、各種の調査に基づき、そのさまざまな様相や特徴的形式を整理・記述して、体系化を試みる研究を行ってきた。本書は「これからの日本語」「国際化時代の日本語」を考える上でも重要な示唆を与えてくれる好著である。
目次
第1部 序論・日本語の「配慮表現」(気配り表現)研究の枠組みについて
第2部 「配慮表現」(気配り表現)における「緩和表現」について
第3部 「配慮表現」(気配り表現)における「受益表現」について
第4部 「配慮表現」(気配り表現)における「プラス価値付加表現」について
第5部 「配慮表現」(気配り表現)における「心地よい気分表現」(気分をよくさせる表現)について
第6部 終論・中国語と日本語の「配慮表現」に関する諸問題について
著者等紹介
彭飛[ポンフェイ]
1958年中国上海生まれ。中国復旦大学卒業。1984年来日。1993年3月大阪市立大学大学院文学研究科博士後期課程(国語国文学専攻)修了、博士(文学)学位取得。日本学術振興会特別研究員、国際日本文化研究センター客員助教授、京都外国語大学助教授を経て京都外国語大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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