内容説明
上方歌舞伎を愛するがゆえに、あえてきびしい目で、初めて戦後関西歌舞伎史にメスを入れた多彩な論考と発言集。
目次
上方歌舞伎の衰退―その原因についての一考察(衰退の遠因;狂言作者の貧困 ほか)
戦後・関西歌舞伎史・12のポイント(『幕間』の創刊と終刊;三世梅玉と二世延若の死 ほか)
上方歌舞伎の風景―上方歌舞伎衰退再考(関西歌舞伎の現状;関西人の心情 ほか)
上方歌舞伎の伝承をめぐって(講演)(江戸と上方の相違;大坂の役者と観客 ほか)
二十世紀の歌舞伎を振り返る(座談会)(新歌舞伎の時代―大正~戦前;関西歌舞伎の戦後―双寿時代 ほか)
著者等紹介
権藤芳一[ゴンドウヨシカズ]
昭和5年(1930)京都に生まる。同志社大学文学部卒業。武智鉄二に師事し、雑誌『演劇評論』の編集、前衛・実験劇の演出助手を務めた後、同33年より京都観世会館に事務局長として30年勤務。のち平成元年より大阪学院大学国際学部で古典芸能を講ず。同13年3月退職、現在フリー、演劇評論に幅広く活動
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感想・レビュー
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つばな
1
戦前・戦後の上方歌舞伎の道筋を知る意味では面白かった。ただ、今後の上方歌舞伎については閉塞感しか感じなかった…。しかし、わたしは21世紀の今、上方歌舞伎は過渡期にあるのかな、と思う。時代とともに変わっていくのが上方文化なのであれば、愛之助、壱太郎、そして千壽、吉太朗といった若い世代が新しい上方歌舞伎を作っていってくれるはずだと思います。2014/03/16
shellgai
0
戦後の上方歌舞伎の衰退の原因を歴史的にひもといている内容。上方歌舞伎がんばれという筆者の気持ちを感じる一冊2011/03/08