内容説明
誕生地探しから、最後の手紙・辞世まで、代表的な作品の内容にもふれながら、作者近松の歩みを平易な文章で語り進め、その実像・魅力に迫る。
目次
第1部 誕生地探しから(その生涯―誕生地探しから;出生地のなぞ;京都説・近江説 ほか)
第2部 芸能界へ(無名の作家;『世継曽我』;西鶴『暦』 ほか)
第3部 竹本座座付作者(ビッグ・スリー;『用明天王職人鑑』;『堀川波鼓』 ほか)
著者等紹介
松平進[マツダイラススム]
1933年(昭和8)生まれ。専攻は江戸時代演劇、役者絵、絵本。ロンドン大学海外招聘講師、甲南女子大学教授、園田学園女子大学教授(近松研究所所長)などを歴任。2000年(平成12)12月5日没
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感想・レビュー
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Noelle
2
小説やドラマでは近松のお話を見聞きするが、こんなに実際に裏付けのある文学史的に書かれた近松の人生は、全く知らなかった。誕生地の謎から始まり、50歳を越した頃に「曽根崎心中」で評判を呼び、京都での歌舞伎作者から大阪竹本座付きの浄瑠璃作家への転身、その後の22年間で88編の作品を書き続け ヒットを飛ばし、72歳で亡くなるまでを、代表作の筋立ての紹介も交えながら、詳細に記していく。残っている手紙や辞世文に垣間見える人となり、尼崎に残る墓所など、丁寧な研究の結果のとても読みやすい、わかりやすい伝記であった。2016/11/27