内容説明
“中期”太宰を特徴づける翻案作品「女の決闘」および戦時下の作品集『新釈諸国噺』『お伽草紙』について、先行研究を整理し、原典との精密な比較検討を中心とした作品論を展開。太宰にとっての翻案という方法の必然性、その特質を具体的に明らかにする。
目次
序章 太宰治の翻案をめぐって(翻案作品の範囲;翻案作品研究の課題;原典と翻案作品との関係―『新釈諸国噺』を中心に;批評としての翻案―全体の見取り図として)
第1章 「女の決闘」論(先行研究の現在と問題の所在;女房の物語―原作の主題;語り手の物語(女学生にとっての決闘;亭主にとっての遺書)
鴎外訳から太宰作へ)
第2章 『新釈諸国噺』論(「貧の意地」;「大力」;「猿塚」;「人魚の海」;「裸川」;「義理」;「女賊」;「赤い太鼓」と「粋人」)
第3章 『お伽草紙』論(先行研究における“融和”説の再検討;「瘤取り」;「浦島さん」;「カチカチ山」;「舌切雀」;<中期>作品の読みに向けて)
著者等紹介
木村小夜[キムラサヨ]
1963年2月生、京都市出身。奈良女子大学大学院博士課程人間文化研究科(比較文化学専攻)退学。同大学文学部助手を経、1992年、福井県立大学講師。1994年、奈良女子大学学位取得:博士(文学)。1997年より福井県立大学助教授
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