内容説明
ここ十年程考えてきたことを、ひとまずまとめておくことに致しました。論によっては初出からかなり大幅に改稿しました。ただし、第一章第四節「“叫び”と“崩壊”」はほとんどそのままです。今読むと気恥ずかしいのですが、若い頃から抱いていた実朝への思いが一気に出ていて、もう二度とこういう文章は書けないだろうなと思ったからです。
目次
序章 時空という切り口をめぐって(源実朝と時間;定家所伝本と貞享本―時空認識の相違)
第1章 時空と表現(老人と子ども―四季の時間;憧憬の時空―恋歌の配列構成;懐旧と無常―雑部の展開;“叫び”と“崩壊”―最終歌への道程;『金槐和歌集』の時空)
第2章 周辺と享受(背景と和歌;『信生法師集』に於ける実朝像;実朝像の形成)
終章 まとめ