内容説明
女鬼神社宮司白壁具教の妹で若い頃は希代の霊能者と謳われた崇道春世は、子宮癌の摘出手術の最中突然昏睡状態から覚醒し暴れ出したため、失血により一時心臓が停止し植物状態になった。医療過誤を疑って娘の真琴は麻酔医の自宅まで押しかけて問い詰めるが、その目の前で女医は心不全を起こして死んでしまう。その後、白壁家の経営する老健『泉の里』で真琴と共に働いている近藤幸人の車が爆発するなど、白壁家の周辺では変事が続く。地域の電場異常が共通の原因ではないかと調査を続ける真琴と近藤だが…。
著者等紹介
西谷史[ニシタニアヤ]
魚座の三重県生まれ。北海道大学卒業。メーカー勤務のかたわらショートショートを連載。『女神転生/デジタル・デビル・ストーリー』(徳間書店)で作家に。著書に『神々の血脈』『記憶』(角川書店)、『神々の血脈NU』(小学館)などがある。趣味は旅行
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感想・レビュー
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*古史古伝・伝奇*女鬼神社宮司の妹・春世は、手術中に心臓が停止し植物状態となった…。医療過誤を疑って娘の真琴は麻酔医を問い詰めるが、その目の前で医師は心不全を起こして死亡する。その後も続発する変事…。その果てに、彼女達が辿り着くおぞましい真実とは!?――素晴らしい日本神話のオマージュ!何より、神話に対する著者の知識が深すぎる(笑)それでして、日本神話を知らない方でも楽しめるエンターテイメント作品に仕上げるのだから…、いやぁ~、著者の筆腕には感服!日本神話を題材にした伝奇作品の中でも指折りの名著。良書です!2013/11/16
sundance1973
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伊弉冉――イザナミ。西谷史氏がこの名前をタイトルに持ってくるならば、かなりの自信作なのだろうと思って読んでみたが、まさにその通り、氏の最高傑作と言ってもいい伝奇ロマンの秀作に仕上がっている。主人公の「ぼく」にタイプの異なる2人のヒロインと、恋愛ゲームのテンプレのようなフォーマットにいささか戸惑うが、イザナミのからむ後半の展開はすばらしい。最近西谷氏の名前を聞かないのがさびしい。