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経済学者はなぜ嘘をつくのか

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  • サイズ B6判/ページ数 302p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784757224254
  • NDC分類 331
  • Cコード C0033

出版社内容情報

現実経済に無知な経済学者とデタラメな理論に振り回されないために経済の正しい知識を身につけよう

リフレ政策、財政均衡主義、消費税増税、TPP、グローバリズム、規制緩和、成長戦略...日本経済と国民生活を痛めつける間違いだらけの経済政策に今こそNO!

人気メルマガ「三橋貴明の「新」日本経済新聞」の寄稿者が間違いだらけの経済政策を斬る!

はじめに ――“温かい心”を失った経済学


序章 経済学者を信じてはいけない

 財政破綻で国民を脅す現代の狼少年
 経済の目的は「世を経め、民を済う」こと
 マルサスとリカードの“陰鬱な”経済理論
 政治家は過去の経済思想の奴隷
 アベノミクスの変節からわかる安倍首相の本音


第1章 現代経済学の誕生と成長

 経済学者が嘘をつく理由
 経済学説史上のエポック・メイキング「限界革命」
 パレート最適が完成させた新古典派経済学
 現実の分析を目指したケインズとシュンペーター
 ケインズ経済学がもたらした衝撃
 新古典派への揺り戻し
 ポパー主義が経済学者に与えた影響
 リーマン・ショックに呆然とした主流派経済学


第2章 規制反対のネオリベ経済学と利益誘導型の俗情経済学

 経済理論と経済政策の間には深く大きな溝がある
 主流派経済学者にとって「不況」は存在しない!?
 誰の顔も同じに見える主流派経済学のメガネ
 使命を忘れたペンギン
 プラグマティズムに背を向けた経済学者
 最新理論「動的一般均衡」は役に立たない
 理論とイデオロギーの結合したネオリベ経済学
 市場原理主義と新自由主義
 レーガノミクスと滴り落ちる毒
 トリクルダウン政策を支持するエリートたち
 主流派経済学も一枚岩ではなくなった
 俗情経済学がもたらす脅威


第3章 主流派経済学には非自発的失業者は存在しない

 不都合な現実を消し去る手品
 主流派経済学の景況感
 ベッドの長さに合わせて足を切る
 不都合な現実と経済学の制度化
 数学が共通言語になった
 非自発的失業をどうやって消し去るか
 各個人を金太郎アメの断面とみなす理論
 宙に浮く循環的失業
 ミスマッチ失業は自己責任か


第4章 統計数値は信用できるか

 失業者という“厄介な”存在
 理論と現実をつなぐ統計数値
 改ざんされた潜在GDPの定義
 平均は現実に近づき、現実を理想と化す
 潜在成長率をめぐる大いなる誤解
 潜在成長率のパラドックス
 今や「完全失業率」も信用できない!!
 主流派経済学による完全雇用の新定義


第5章 錯綜する理論と現実

 「新種の経済学者」の誕生
 教科書経済学者のトライアングル
 理論と現実を足して二で割る
 中央銀行の経済学離れ
 日本銀行の先祖がえり
 理論と現実の接点としての統計


第6章 現実を分析する経済社会学

 経済理論を現実の場へ引き出す
 複雑な社会をどう理解するか
 経済学はほかの学問と連結できるのか
 主流派経済学は人間を社会的存在とみなさない
 道徳心こそが利己心をコントロールできる
 現実に即した新しいミクロ理論が必要になる
 シュンペーターとケインズに学ぶ
 「理論付けられた現代」を語るには


第7章 経済効率の正しい考え方

 あなたは「効率」に抵抗できるか?
 方法の選択が効率性を決める
 グローバル化が効率性の意味を変えた
 効率性と資本の運動法則
 「無国籍」な資本の増殖が加速する
 効率の「二律背反」とどのように向き合うか
 効率至上主義が間違っている理由


第8章 経済社会学による財政再建論

 政府は一体いくらまで借金できるのか?
 財政問題に関する一般論
 財務省脳が日本経済を破壊する
 景気が決める国債発行の是非
 政府の借金の返済方法は三つ
 財政ファイナンスを危険視する愚かな人々
 借金を不況に肩代わりさせる
 無税国家と出口戦略


第9章 リフレ派の理論ではデフレを脱却できない

 矛盾だらけの「パッチワーク経済学」
 リフレ派とネオリベ派の出合い
 リフレ派の二階建て理論
 リフレ政策の成立要件「期待形成の国民的一致」は可能か
 マクロ的諸要因の決定は貨幣現象なのか?
 「インフレ期待」は人々の錯覚を期待
 実質賃金は永遠に上がらない
 実物投資と金融投資の混同
 量的緩和の限界と弊害


第10章 アベノミクスの過去・現在・未来

 主流派政策の逆を行なったアベノミクスだったが……
 初期アベノミクスの二つの意義
 事実誤認によるアベノミクスの転換
 意地の果てのバブル
 成長戦略は公共を破壊する
 今こそ、大胆な政策転換を!
 国債は「日銀が買って、政府が売る」

【著者紹介】
1956年、神奈川県生まれ。1980年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1986年、同大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。1996年、帝京大学助教授。2007年、帝京大学短期大学教授(2014年退職)。現在、東海大学非常勤講師および会社役員。専門は、経済変動論、シュンペーター研究、現代日本経済論。主な著書に『経済学とはなんだろうか -現実との対話-』(八千代出版、2012年)、『シュンペーター理論の展開構造』(御茶の水書房、1987年)。

内容説明

現実経済に無知な経済学者とデタラメな理論に振り回されないために、経済の正しい知識を身につけよう。リフレ政策、財政均衡主義、消費税増税、TPP、グローバリズム、規制緩和、成長戦略…人気メルマガ「三橋貴明の「新」日本経済新聞」の寄稿者が間違いだらけの経済政策を斬る!

目次

序章 経済学者を信じてはいけない
第1章 現代経済学の誕生と成長
第2章 規制反対のネオリベ経済学と利益誘導型の俗情経済学
第3章 主流派経済学には非自発的失業者は存在しない
第4章 統計数値は信用できるか
第5章 錯綜する理論と現実
第6章 現実を分析する経済社会学
第7章 経済効率の正しい考え方
第8章 経済社会学による財政再建論
第9章 リフレ派の理論ではデフレを脱却できない
第10章 アベノミクスの過去・現在・未来

著者等紹介

青木泰樹[アオキヤスキ]
1956年、神奈川県生まれ。1980年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1986年、同大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。1996年、帝京大学助教授。2007年、帝京大学短期大学教授(2014年退職)。現在、東海大学非常勤講師および会社役員。専門は、経済変動論、シュンペーター研究、現代日本経済論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さきん

16
リフレ派はなぜ財政出動を嫌うのか良くわからなかったが、本書では、主流経済学とリフレ派はマネタリズムという点で同根であること解説し、腑に落ちた。そもそも論外の怪しげな経済学とリフレ派経済学、主流経済学を批判し、ケインズ派経済学とその流れを汲む経済学を見直すように訴えている。また学者という人種に対する観察も鋭い。(学者は条件設定内で思考する=人間という生き物の能力や健康、幸せまたは条件外の諸現象を無視する、せざるを得ない)2016/05/24

ケイ

12
興味深かったです。リフレ派の主張には誤謬があるという指摘にも価値があると思いました。しかし、途中までの「経済社会学」の見方は本当に同感だったのですが、後半の政策論は難しかったです……。著者はまえがきで「初心者でも大丈夫」と銘打っていましたが、これでも難しいかもしれません。ただ、「人を見ようとしない経済学はダメだ」という主張には本当に同感です。2016/04/10

NORI

9
主流派経済学の欠点を明らかにしつつ、アベノミクスがどう移り変わっていったのかをわかり易く説明してます。黒田日銀総裁が量的緩和する動機も分かり、これからの実体経済がどんなふうに進むのかも注視していき、対応しなければならないですね。2016/05/29

ブック

7
2016年に現在は京大の青木泰樹教授が書いた本。西田昌司議員が最初に均衡財政の矛盾に気づくきっかけとなったのが当時は帝京大の教諭だった青木氏との対談だったと知り興味を持った。MMT以前のため、返って非常に興味深く、また違った角度からの説明により現状の理解が深まった。何より、様々な経済学派の内容や関係性が説明されており、歴史的な変遷も把握できた。アベノミクスの初期段階がいかに野心的なものであったか、そしてその後の方針変更により多くが失われたかがよくわかる。それにしても、財務省は日本人を幸せにしたくないのか。2022/01/05

ドクターK(仮)

6
政府の経済政策の策定に多大な影響を与えている経済学者たち。彼らの多くが、実は国民経済にとって有害無益な提言をし続けているとしたら?本書はそうした問題意識の下、いわゆる主流派経済学やリフレ派の欠陥を指摘し、それに代わる(シュンペーター的)経済観、(ケインズ的)経済政策を提示している。初心者には少々難解な部分もあるが、「社会は、多様な価値観を持つ人間から構成され」(p.185)、主流派の経済学が想定するように、同質的個人が経済的動機のみに基づいて行動しているわけではない、といった考え方は極めて常識的である。2016/04/17

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