内容説明
舞台は27世紀、不毛な戦争が続くサンクション星系第4惑星。莫大な利権が絡む古代火星人遺跡探検の誘いにのったタケシ・コヴァッチは、資金調達のため商社を引きずり込み、スタック市場で戦闘要員を調達、張り巡らされた罠の只中へと出発した。地獄に堕ちた天使たちに、最後の戦いが待っていた。フューチャー・ノワールの旗手が、圧倒的なパワーとスピードで描き切った、ハードボイルド冒険小説の傑作。
著者等紹介
モーガン,リチャード[モーガン,リチャード][Morgan,Richard]
1965年ロンドン生まれ。イーストアングリア(イングランド東部地方)で育つ。ケンブリッジ大学卒業後、英語講師としてイスタンブール、マドリード、ロンドン、グラスゴーなど各地を転々とする。処女作『オルタード・カーボン』(アスペクト刊)でフィリップ・K・ディック賞を受賞し、ワーナー・ブラザーズが映画化権を35万ポンド(約7000万円)で獲得。作家への道を歩み始める
田口俊樹[タグチトシキ]
1950年奈良市生まれ。早稲田大学文学部英文科卒。出版社勤務、児童劇団スタッフ、都立高校教員を経て『ミステリマガジン』から翻訳家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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猿吉君
36
冒険SF小説としては面白いけど続編としては期待していた方向と違いました。①お宝を手に入れるために都市一つ塵にする時点で「正義」がない。②皆さんが腹にイチモツ持っているのは良いんですがコヴァッチは結局何をしたかったのか?③問題の船は凄いんだかただ大きいだけなのか、後者のような。④途中で出てくるイデオロギーというか政治というか宗教というか、これが皆さんの動機にもなっているんですが「あ、そうですか」としか思えなかったです。点数:60/100→3部作で続編読みますが一作目の衝撃は得られそうにないと感じました。2020/09/28
えー。
2
前作を読んでからのファン。人間の精神がスタックに保存され、スタックが破壊されない限り不死という設定が魅力的だが、それを上回るのは何をやらかすのかわからない主人公や脇役の人物造形だ。今回は前作と趣が変わってハードボイルドから冒険譚になっているが、多少の中だるみはあるものの、先が気になる面白さは一緒だった。これだけたっぷりと独自の世界観に浸らせてくれる作品はそうそうない。次作にも期待。2012/04/02
すけきよ
2
コヴァッチが再登場ということでかなり楽しみにしてたんだけど、なんか、イマイチはまり切れませんでした。前作は、薄汚れた町で探偵をする、お約束なタフガイものだったから良かったけど、戦場だとそれがしっくりこないのかなぁ? とにかく、あまりスムーズな読み心地がしませんでした。2007/04/16
白葱
1
前作から30年後、サンクション第4惑星を舞台にしたミリタリー系冒険物語。前作ほどの熱狂はないが、シリーズを楽しむ上では必読。(なぜこれだけ文庫化されていないのだろうか?) 前回に引き続き、過剰なまでの背景描写に浸りきった。ただ、火星人の船の描写が個人的に難関で、この本を充分楽しめていない気がする。高性能超短命ナノーブ・システムという兵器がとてもかっこいい。周りの環境にあわせて自律進化するナノウェア兵器。登場人物たちの腹が読めないところもいい。2012/12/18
ichimatu
1
火星年代記のパスティーシュ。的な。日本的曖昧表現。2012/02/15