内容説明
すでにある都市を使う、デザインすべき場所を探す、建築の領域を再定義する。この3つが、この時代の都市再生の鍵を握っている。著者はリノベーションの仕事をやってきて、この手法は建物単体ではなく都市全体に対しても援用できると考えた。
目次
1 アメリカのケーススタディ
2 東京をリノベーション
3 地方都市をリノベーション
4 郊外をリノベーション
5 公共空間をリノベーション
6 リノベーション特区
7 メタボリズムとリノベーション
著者等紹介
馬場正尊[ババマサタカ]
Open A代表/東京R不動産ディレクター。東北芸術工科大学准教授/建築家。1968年佐賀県生まれ。1994年早稲田大学大学院建築学科修了。博報堂、早稲田大学博士課程、雑誌『A』編集長を経て、2002年Open Aを設立し、建築設計、都市計画、執筆などを行う。都市の空地を発見するサイト「東京R不動産」を運営。東京のイーストサイド、日本橋や神田の空きビルを時限的にギャラリーにするイベント、「CET(Central East Tokyo)」のディレクターなども務め、建築設計を基軸にしながら、メディアや不動産などを横断しながら活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう
2
筆者の出会った数々の海外事例と実際に携わった事例が紹介されていました。個人的には役所、学校、図書館など公共建築物のリノベーションや団地の再生が興味深かったです。2014/01/10
TAKAMI
2
リノベーションは更新、コンバージョンは機能変換。都市の中で機能不全に陥ってるスペースを見つけ、コンバージョンをゲリラ的に続ける。めちゃくちゃクールだ。都市だけでなく、地方都市や郊外の機能変換ですらも手掛ける。著者は「僕らの役割は、その都市更新のためのOSをつくること。多様性の提示と、ノウハウの確立や制度的な背景、着地点を見出しておくこと。」と述べている。著者の考えを元に各地でゲリラ的にこうしたアクションが増えていくと素敵だと思うし、自分もその一端を担いたいと強く思った。2013/03/04
ishiwatari_t
1
本書は著者がアメリカで見てきたリノベーションの好例と自身が東京や地方で行ったリノベーションの事例を紹介する。草の根的な活動がその建築、その地域の環境を変える力になるといった話は大変共感したが、意匠的な説明がもっと欲しかった。ジャンヌレ邸を思わせる房総でのプロジェクト、空き倉庫の中に2階建てのガラスの箱を入れたオフィスなどは、デザインの決めてが気になる。2021/10/17
toshiki
1
バブル崩壊以降の新築建物は、均質的で、無駄がなく合理的だかなんかつまらない。少し無駄がある建物の方が、リノベーションしても面白い。新築では、どうしても投資回収が、厳しくなり、均質化してしまい、まちが沈滞する。リノベーションの手法は、今後のまちづくりに大いに活かされるべきだと思う。2018/09/08
たかぴ
1
R不動産も元々、もったいないなぁと感じる物件を個人的に発信するブログだったというのは驚き。リノベーションはモダニズムの流れの中にある…というのもすごい納得した。既存ストックは重荷でなく宝庫だということを実行してる。実例も可能性も共に社会に良い変革を与える可能性を感じた。2017/02/21