誘惑される意志―人はなぜ自滅的行動をするのか

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  • サイズ B6判/ページ数 380p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784757160118
  • NDC分類 141.8
  • Cコード C0011

内容説明

お酒、タバコ、ギャンブル、甘いもの……。目先の欲望に支配されてしまう人間の本質を「双曲割引」によって解明し、意志の根源にせまる驚愕の一冊。生物学・心理学と経済学を実証的につなぎ、効用主義に代わる新しい考え方を提示する。

目次

1 意志を分解してみると―アクラシアの謎(はじめに―人の選択を決めるのは欲望か判断か?;意志決定の科学の根底にある二律背反―人の選択を司るのは欲望か判断か?;人の未来評価にはギャップがある ほか)
2 意志を分解してみると―異時点間取引の構成要素(利益の基本的な相互作用;内的利益同士の高度な交渉;異時点間の交渉を主観的に体験する ほか)
3 最終的な意志の分解―成功は最大の失敗(意志力が裏目に出るとき;効率の高い意志は欲求をつぶす;欲求を維持する必要性が意志を圧倒する ほか)

著者等紹介

エインズリー,ジョージ[エインズリー,ジョージ][Ainslie,George]
精神科医。臨床医。コーテスビル・ヴェテランズ・アフェアーズ・メディカル・センター精神科主任およびテンプル大学教授。異時点間交渉問題を一貫して研究し続けており、双曲割引理論の主導者の一人である

山形浩生[ヤマガタヒロオ]
1964年生まれ。東京大学都市工学科修士課程およびマサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。大手調査会社に勤務のかたわら、科学、文化、経済からコンピュータまで広範な分野での翻訳、執筆活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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11
経済学と心理学の統一に挑んだ、壮大な構想の本。双曲割引型効用関数、そして異時点間の報酬同士の合従連衡という2つの道具だけで、薬物中毒・過度な禁欲といった人間の非合理的行動を理論立てしつつ、そのような行動を防いで一貫した行動を取るためのフレームワークとして「意志」を定義しており、かなりの説得力を感じた。さらに議論は意志の獲得に至る進化論、意志による行動制約といった文明論まで広がり、流石に極論ではあるが強いロマンを感じさせられた。/経済学・心理学を履修した人なら間違いなく楽しめる一冊。2022/01/24

手押し戦車

9
意志は将来報酬を目先の利益を選んでしまう衝動性に対する限定的な解決策でしかない。意外性の必要性を創り出す感情的報酬に対するせっかちさはコントロール出来ないがそれを中毒の選好に対抗する為に使いすぎると強迫観念が生じ逆に意外性を引き下げ長期的な快楽を得るのが難しくなる。ダイエットをして食事制限をして成功したら自信がつが一度誘惑に負けると次のハードルが上がり誘惑に負ける逆に誘惑に勝つと自信を保つ様になり意固地になり食を拒否し他人と比較し変に硬直した考えになり強迫観念が生じる。2014/07/14

roughfractus02

7
長期的利益と短期的利益の双曲割引なる概念で人の効用傾向を説明する本書には、近代の個人、可能性、自由意志を問い直す目論見が垣間見える。動物実験や人間の破滅的事例(浪費、麻薬中毒、賭け等)から、必要条件として自由意志を長期的利益の行為主体に設定し、分割不能な個人概念が破壊されれば「行為が意識に先立つ」等のパラドックスが説明可能になる一方、意外性や共感や間接性という感情的な報酬場面で自由意志の不合理面も導出される。自由意志の必要条件的設定は、進化の十分条件的説明があればさらに読みやすく豊穣な議論になりそうだ。2017/05/25

A

6
他の方の感想にあったように訳者あとがきから読んだ方が良い2019/12/13

nami miyazaki

5
図書館で借りた★勝間和代さんの本でお勧めされていたので読んだ★内容は、分かる部分もあるが、言い方が難しくて、字面だけ追って頭に入らずな事もあった★一番分かりやすく理解できたのは、訳者のあとがきです2022/02/12

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