ニュー・ダーク・エイジ―テクノロジーと未来についての10の考察

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  • サイズ B6判/ページ数 343p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784757143555
  • NDC分類 504
  • Cコード C0036

出版社内容情報

〈情報の海〉で溺れないために――最注目アーティストによる未来の洞察現在最注目のアーティスト・思想家ブライドルの初の単著。芸術、技術、情報の歴史を巡り、テクノロジーの可能性と限界を突き詰め、世界の理解を助ける方法を掘り起こす。ランドスケープ、脳細胞、衛星画像、ビッグデータ、データセンターなど、数々のトピックを駆使して、技術、社会、人間の近未来を明快かつ鋭く論じる。
情報テクノロジーはますます進化し、産業構造や社会生活の変革を加速している。しかし今、多くの人々は情報の海で道に迷い、単純化された物語や「ポスト真実」に惑わされている。金融、ショッピング、AI、国家機密に至るまで、私たちは世界がどのようにガバナンスされているかを理解できなくなっている。こうしたIT時代に潜む諸問題に、私たちはどう対処するべきか? AIにも精通した気鋭のアーティスト・思想家ブライドルが、現代世界へのクリティカルな10のキーワード(Chasm(裂け目)/Computation(計算)/Climate(気候)/Calculation(予測)/Complexity(複雑性)/Cognition(認知)/Complicity(共謀)/Conspiracy(陰謀)/Concurrency(並列)/Cloud(雲))を提示し、あるべき未来を展望する。

1. Chasm(裂け目)
2. Computation(計算)
3. Climate(気候)
4. Calculation(予測)
5. Complexity(複雑性)
6. Cognition(認知)
7. Complicity(共謀)
8. Conspiracy(陰謀)
9. Concurrency(並列)
10. Cloud(雲)

ジェームズ・ブライドル[ジェームズブライドル]
著・文・その他

久保田晃弘[クボタアキヒロ]
翻訳

内容説明

情報テクノロジーはますます進化し、経済・政治・社会の変化を加速している。しかし今、人々は溢れかえる情報の中で、単純化された物語や「ポスト真実」に惑わされている。ショッピング、金融市場からAI、国家機密に至るまで、私たちは世界がどのように動いているのか理解できなくなっている。こうしたIT時代に潜む危険に、いかに立ち向かうか?テクノロジーに精通した気鋭のアーティストが未来を展望する。

目次

1 裂け目
2 計算
3 気候
4 予測
5 複雑さ
6 認知
7 共謀
8 陰謀
9 同時実行
10 雲

著者等紹介

ブライドル,ジェームズ[ブライドル,ジェームズ] [Bridle,James]
1980年生まれ。アーティスト・ジャーナリスト・テクノロジスト。ロンドン大学でコンピュータ科学と認知科学の修士号を取得、ニューヨーク大学などで教鞭も執る。デジタル・イメージに溢れた現代の知覚と美意識を探る「New Aesthetic」の中心的論者。『イブニング・スタンダード』による「ロンドンの1000人の最も影響力のある人物」、『WIRED』による「ヨーロッパの100人の最も影響力のある人物」の1人に選ばれている。作品は世界各地で展示されており、アルス・エレクトロニカ、日本メディア芸術祭などで受賞。NTTインターコミュニケーション・センター「ICC」「オープン・スペース2018」にも展示

久保田晃弘[クボタアキヒロ]
1960年生まれ。アーティスト/研究者。多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース教授

栗原百代[クリハラモモヨ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

8
頭文字Cの語が10章並ぶ本書は、C=Computerに支配され、その加速主義に隷属する世界での生き方を問う。一方、本書が同じ言葉を繰り返す他の書物と違うのは、アーティストである著者が、我々が環境として同化したCの世界を異化し、対象として具現化する点にある。本書も彼の作品であり、見慣れた文字を見知らぬデザインに変える異化効果を発揮する。膨大な情報で埋められた全ページは、過去データによって未来まで閉塞させる計算論的世界のようだ。そんな作品を読む読者は、過去と未来から解き放たれた現在へ導く解釈の力に触発される。2020/03/06

読書熊

7
情報は石油ではなく、むしろ原子力である。膨大になったデータと複雑化したアルゴリズムが、むしろ人間の自由を拘束してるのでないか。若林恵さんの「さよなら未来」と共通する問題意識を感じられました。2019/02/17

べっか

3
データの氾濫とアルゴリズムが生み出す暴力に、グーグルは本当に気付いてないのだろうか。そういえば、最新のグーグルのセルフォンに搭載されているカメラは優秀すぎるほどだった。どうやら本気で気付いてないようだ。2019/09/04

汐除明

2
マインドフルネスが悲観的な世界の見方をただす本ならば、これは対になる本。もはや避けることの出来ない地球温暖化やアルゴリズムから生まれる人々の分断と意味のない娯楽たち。私たちが、悲観しつつも現実には何も行動できない、問題たちと歩んでいく隘路を描写してくれる。2019/06/06

Mealla0v0

2
本書の使命は、テクノロジーの進化に追いつかないテクノロジーへの理解を刷新する、新たなメタ言語を創造することである。今日テクノロジー理解の最も支配的な形態が「計算論的思考」、つまりどんな問題でも計算の適用によって解決できるという考えだ。だが、情報が増えれば増えるほど最良の選択を可能にするのではなく、判断自体を困難に陥らせ、世界を暗黒に導く……。しかし、筆者は暗黒にマイナスの意味だけを付与しているわけではない。暗黒とは同時に「自由と可能性の場所」であり、不可知について知ることが次の一歩なのであると本書は言う。2019/04/19

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