出版社内容情報
なぜ人は「殺人事件」に魅かれるのか?
古今東西、残酷な殺人事件や処刑に興味を引かれるのはなぜか? 特にイギリス人はその傾向が強い。ヴィクトリア朝から現代に至る殺人事件や犯人像を紹介しながら、一般読者の反応、小説、映画などの想像世界の豊饒さが生み出されてくる過程をつぶさに検討していく。
好評『暮らしのイギリス史』の著者が放つ、異色の文化史第二弾!
第1部 犯罪と娯楽
1.新しい感性の出現:ド・クインシー「芸術作品として見た殺人」
2.都市化の病弊:ラトクリフ街道殺人事件
3.無防備な国:警察組織の誕生
4.犯罪とジャーナリズムの勃興:サーテル事件
5.過去が再臨する場:マダム・タッソーの蝋人形館
6.犯罪報道:民衆の想像力
7.犯罪の小説化:ヴィクトリア朝犯罪とディケンズ
8.犯罪事件と音楽:マライヤ・マーティンの歌
9.犯罪と娯楽:事件の舞台化
10.犯罪と法:マニング夫妻の犯罪
第2部 探偵、登場す
11.ミドルクラスの台頭と犯罪:医師の犯罪
12.犯罪と女性:良妻の裏の顔
13.探偵ブーム:現実と架空の狭間
14.ミステリー小説の台頭:ウィルキー・コリンズの小説世界
15.女性と犯罪:女性探偵小説家の誕生
16.人間の二面性:切り裂きジャック事件
17.探偵と理性:シャーロック・ホームズ登場
18.女性探偵の活躍:ミス・マープル
第3部 文学としてのミステリー
19.探偵小説と女性:黄金期の揺籃
20.ミステリー小説の女王:アガサ・クリスティ
21.犯罪心理:ドロシー・L・セイヤーズ
22.ゲームとしての犯罪捜査:探偵クラブの結成
23.探偵小説の流行:文学としての犯罪小説
24.新たな地平:グレアム・グリーンを超えて
後記 ジョージ・オーウェル「イギリス風殺人犯罪の衰退」をめぐって
【著者紹介】
王宮を管理するヒストリック・ロイヤル・パレスの主席学芸員。著書に『暮らしのイギリス史』(NTT出版)などがある。
内容説明
なぜ人は犯罪事件に夢中になってしまうのか?死刑囚の公開処刑や殺人現場ツアー。イギリス国民は、身の毛のよだつ事件の数々に戦慄しながらも大いに愉しんできた。未解決の大事件から探偵小説の栄枯盛衰まで。
目次
第1部 殺人の愉しみ方(趣味としての殺人;ラトクリフ街道殺人事件;夜警 ほか)
第2部 探偵、登場す(ミドルクラスの殺人者と医師;良き妻;探偵登場―ロード・ヒル・ハウス殺人事件 ほか)
第3部 黄金時代(大戦間の時代;アガサ・クリスティ;ドロシー・L.セイヤーズ ほか)
著者等紹介
ワースリー,ルーシー[ワースリー,ルーシー] [Worsley,Lucy]
ロンドン塔、ケンジントン宮殿、ハンプトン・コート宮殿など、主要な王宮を監督管理するヒストリック・ロイヤル・パレスの主席学芸員、歴史家。数多くの歴史教養番組を監修・主演し、もっとも声望にとむパーソナリティでもある。オックスフォード大学で歴史学を専攻し、サセックス大学より博士号(美術史)を授与される
中島俊郎[ナカジマトシロウ]
甲南大学文学部教授。専門は英文学
玉井史絵[タマイフミエ]
同志社大学グローバル・コミュニケーション学部教授。専門は英文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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