内容説明
“学魔”タカヤマの疾風怒涛の人生。愛も哀しみも怒りも喜びも全て飲み込み、魔一匹、“知”の冥府魔道を行く。
目次
学魔口上
先達修羅
学鯨縁起
迷宮暗誦
書庫修験
偏愛逆説
観念史愛
観念史命
事典奇観
牛津怪典〔ほか〕
著者等紹介
高山宏［タカヤマヒロシ］
学魔（がくま）。１９４７年岩手県生まれ。東京大学大学院修士課程修了。東京都立大学人文学部英文科教授から、大学再編統合により現在、首都大学東京都市教養学部教授。主な訳書に、Ｗ・ウィルフォード『道化と笏杖』（晶文社、翻訳文化功労賞）、Ｊ・バルトルシャイティス『アナモルフォーズ』（国書刊行会、国際翻訳大賞）、Ｂ・スタフォード『アートフル・サイエンス』（国際翻訳大賞、産業図書）など（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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harass
68
初高山宏。文学のみならずあらゆる知識を吸収していくまさに学魔の彼の自伝。60年代からの知的文化人たちの交流も含む。主流とは言えない学者の人生であるが、知への愛と驚くべき好奇心と記憶力に呆れる。彼の主な専門は17、18世紀のマニエリスム美術関連で、彼の翻訳したい本の100冊リストがあるが自分はそれらの著者の名を一つも聞いたことのないのに愕然とする。2018/03/25
NICK
10
『近代文化史入門』を読んだときは「よーし、俺もこの人みたいになるぞー」とちょっと意気込んでいたのだが、この自伝を読んですっかりあきらめてしまった。人間は魔人にはなれません。しかし、領域にとらわれない知の追及ををこれでもかと楽しそうに語っていくさまは読んでいる方も自然に引き込まれていく。またしても高山節による「スペクタクル」だ。知ることの楽しさ、つなげることの楽しさが伝わってくる。人間は「魔」にはなれないかもしれない。が、しかし「魔」は人間を誘惑する。高山が学魔とよばれるゆえんはそこにもあるのではないか2015/04/20
ニクロム
7
学魔ここに見つけたり。世界をつなげる知がもたらす驚きを「快なる哉」と呵々大笑してみせる姿はまさに学魔。僕が魅せられたのは、いわば彼の尊大さである。彼の尊大さは、他人を貶めるような卑小さからくるのではなく、ただ純粋な学問への、世界への愛情からくるものであり、愉快である。世界はこんなにも面白いのだと命を燃やした熱量で語る高山ワールドにすっかり魅せられてしまった。2016/08/04
袖崎いたる
5
高山宏の風景。本への接し方やら目利きなど、もしくは伝説などを楽しめる。尊大なお人かと思っていたけど、自身は小学魔で、松岡正剛や荒俣宏などの大学魔あっての自分なのだ〜って話をしてたりと謙虚な姿も垣間見える。高山宏の関心事のいろいろへと誘惑される一冊だ。2020/01/13
ndj.
3
学魔！学魔！ 眠りこけてた知識欲をたたき起こしてくれてありがとう！ となんともテンションの上がる、学魔さんの年代記。約20年前、アーサー・O・ラブジョイの『存在の大いなる連鎖』を震えながら読んだときの興奮が甦る。たとえ大学という場を離れても、やはり自分はこの周辺の話が好きで、好きでたまらないのだと痛感した。図書館で何気なく借りただけなのに、ミッシングリンクが埋まったような気にさえなるのだから不思議。2015/05/04
