出版社内容情報
アリストテレスからロールズまで壮大な歴史をもつ共和主義についての本格的な論集。
内容説明
共和主義は自由主義とも関連する。ナショナリズムとも関連する。共同体主義とも関連する。保守主義とも関連する。しかしまたそのいずれとも同一視できない。共和主義とは、むしろ、これらの多様な西欧思想の底流を形作っている大きな、しかし容易には把握しがたい思考の伝統ではないだろうか。したがって共和主義の理解なくして、自由主義も、民主主義も、共同体主義も、保守主義も真の理解に到達することはない。「自由」と「国家」をつなぐもの。西欧思想の底流にある共和主義の伝統。近代の「リベラリズム」と「デモクラシー」の隘路を抜け出し、21世紀の「個人」と「社会」を考えるためのヒントがここにある。
目次
第1部 共和主義の現代的意義(「自由」と「善き生」―共和主義の現代的変容;共和主義とリベラルな平等―ロールズ正義論にみる共和主義的契機;現代のコミュニタリアニズムと共和主義)
第2部 共和主義の歴史的展開(共和主義パラダイムにおける古代と近代―アリストテレスからヒュームまで;共和主義とリベラリズム―十七世紀イングランド政治思想への眼差し;「共和国」という「統治の学」の殿堂―ジェイムス・ハリントンとエドマンド・バークにみるその意義;イギリス経済思想における共和主義の影―スミス・ヒューム・ケインズ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
メルセ・ひすい
1
9-34 共和主義の理解度が増殖! ・・・たぶんに多義的で、厳密に定義しにくい、例えばマルクス主義の典型、のようにそれ自体としてひとつの明瞭な主義主張を伴うというよりも西欧主義のいわば底流を流れ貫いているものだからではなかろうか。それは自由主義とも深く関連する。ナショナリズムとも関連する。共同体主義とも関連する。しかしまた、そのいずれとも同一視できない。むしろこれらの多様な西欧思想の底流を形作っている大きなしかし容易には把握しがたい思考の伝統なのではないか。・・・2007/11/20
たぬき
0
日本人の知らないマグマ2010/06/06
takao
0
ふむ2025/06/15




