ナショナリズムの超克―グローバル時代の世界政治経済学

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  • サイズ A5判/ページ数 399,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784757141469
  • NDC分類 319
  • Cコード C0036

内容説明

ナショナリズムでも理想主義でもない、グローバル時代にふさわしい政治経済学とは何か。国民/国家という概念では、もはやテロや環境問題などのリスクを解決することはできない―。世界の権力ゲームの勝者となるのは誰か?「リスク社会論」「コスモポリタン主義」を提唱する著者が、『文明の衝突』(ハンチントン)、『“帝国”』(ネグリ=ハート)を超えて明らかにする21世紀の新しい社会理論。

目次

第1章 コスモポリタン的意図の新たな批判理論
第2章 ナショナルな視点の批判
第3章 ルールを変える世界内政治―経済・政治・社会の各枠組みを越えるために
第4章 グローバル時代における権力と対抗権力―資本の戦略
第5章 国家主義への回帰とトランスナショナル化の間の国家戦略
第6章 市民社会の運動の戦略
第7章 誰が勝利するのか―第二の近代における国家と政治の概念、およびその形の転換に向けて
第8章 コスモポリタン時代の黎明期へのささやかな弔辞

著者等紹介

ベック,ウルリッヒ[ベック,ウルリッヒ][Beck,Ulrich]
1944年生まれ。ドイツの社会学者。ミュンヘン大学教授・同大学社会学研究所所長

島村賢一[シマムラケンイチ]
1959年生まれ。社会学者。世田谷区立生涯大学専任講師、放送大学・東邦大学・明治学院大学ほか非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

7
リスク社会で有名な著者だから借りた。グローバル市民社会を論じる際、グローバリティ、グローバル化、グローバリズムを峻別(29ページ)。これが難解にして精緻。国民国家による政治の排除は、世界経済による合理性の包摂と矛盾(86ページ)。政治と経済の相関を把握するのが困難なことの証。コスモポリタン的国家はナショナルなものに中立(120ページ)。世界リスク社会の本質は、安全形成力が絶対制御性を条件づける点(131ページ)。地域のコスモポリタン化(272ページ~)。地域と世界のグローカル化の動きでリスクを減らせるか。2013/01/18

3
彼のリスク社会論に比べると、若干ぼやけた印象もあるが、国際的な視野の狭い我々日本人は読んだ方が良い本。資本の持つ権力の特殊性、市場に対する規制主体の影響範囲と資本の行動範囲の齟齬から生まれる問題点を出発点に、あるべき政治思想を模索する。終盤、ナショナリズムを乗り越えようとしたその足で、民主主義の崩壊へと突き進んでいく展開はちょっとしたホラー。ベック自身もその帰結に戸惑い、読者への問いかけで本書を締めくくる。考えさせられる一冊。2012/10/29

じょに

0
半年前に買い、1章と8章を読んだものの、意味不明だったので放置してました。少し読んでみたが、やっぱイミフ…。途中で読めなくなっちゃった。ナイーブにコスモポリタンを賞揚しちゃうことの方がよっぽど差異に鈍感なんじゃないの…とか思ってしまう。ま、とりあえずの浅い読みですが。また気分が向いたら読み直しましょう。2009/03/06

singoito2

0
近日中に、https://note.com/pourquoi にも書こうと思っているのですが、例えば誰もが望んでいないカジノがなぜ公約を無視してまで横浜市民に押しつけられるのか、アマチュアスポーツの祭典だったオリンピックが巨大ビジネスに変質し、日本政府がILOに服従するのはなぜか。新自由主義的なグローバル経済によって蚕食される民主主義を救い出すのはナショナリズムではない、コスモポリタン=コスモスとポリスの2つの故郷を有する市民だ!という驚くべき、しかし、希望に溢れた1冊。読むべし!2020/09/19

抹茶ケーキ

0
グローバル化の中で国民国家は崩壊しているが、社会科学の理論は「生ける屍」と化した国民国家をいまだに前提としている点で問題があるので、バージョンアップが必要。思想面で言えば、個人化を前提としたコスモポリタン主義が求められる。みたいな話。特に前者については全くその通りだと思うのだけれど、実際にやろうとするとめちゃくちゃ難しいよなと思う。なんだかんだ「国家」は現在でもある程度の実体性を有していると思うし。ちなみに原題は「グローバル時代の権力と対抗権力」で、邦題とまったく違う。2018/01/15

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