三つの旗のもとに―アナーキズムと反植民地主義的想像力

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 346p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784757141384
  • NDC分類 311.3
  • Cコード C0020

出版社内容情報

『想像の共同体』の姉妹篇。フィリピン独立運動組織の旗、アナーキストの黒旗、キューバ国旗を掲げる人々の関係性を描く。

マルクス死後のヨーロッパで主流になったアナーキズム、ほぼ同時に起こったキューバの独立戦争とフィリピンのナショナリストによる蜂起。地理、政治、言語の上で一見関わりのなさそうなこれら3つの事象に、緊密な「つながり」を見出し、19世紀末のフィリピン・ナショナリズムの成立史を題材に、「カティプーナン」(フィリピン独立運動組織)の旗、アナーキストの黒旗、キューバ国旗を掲げる人々の関係性を描く。

第一章 プロローグ――雄鶏の卵
第二章 あの世…あそこに
第三章 ビスマルクとノーベルの世界の裏に潜む影
第四章 ある小説家の試練
第五章 モンジュイック

【著者紹介】
ベネディクト・アンダーソン:1936年生まれ。コーネル大学名誉教授。専攻は政治学、東南アジア研究。著書に『定本 想像の共同体』(書籍工房早山)、『比較の亡霊』(作品社)、『ヤシガラ椀の外へ』(NTT出版)などがある。

内容説明

フィリピン・ナショナリズムの父ホセ・リサール、人類学者イサベロ・デ・ロス・レイエス、活動家マリアノ・ポンセ。19世紀末に連鎖的に発生したキューバ独立運動、フィリピンの民衆蜂起、ヨーロッパの反政府活動に三人の足跡はどうつながり、なにを語るのか。100年前に現れた地球規模の政治空間を詳細に描写し、国家・共同体・グローバリズムの問題を現代にふたたび問いかける。

目次

第1章 プロローグ―雄鶏の卵(新しい学問;豊かな土地の智恵 ほか)
第2章 あの世…あそこに(国境を越える蔵書;柘榴に含まれるニトログリセリン ほか)
第3章 ビスマルクとノーベルの世界の裏に潜む影(ヨーロッパへの渡航;ビスマルクと帝国主義の新しい地理 ほか)
第4章 ある小説家の試練(チェルヌイシェフスキーの問い;コンラッドの国 ほか)
第5章 モンジュイック(タリダの聖戦;急進化するパリ ほか)

著者等紹介

アンダーソン,ベネディクト[アンダーソン,ベネディクト][Anderson,Benedict]
1936年生まれ。コーネル大学政治学部エアオン・L・ビネンコルブ国際学およびアジア学名誉教授。専攻は政治学、東南アジア研究

山本信人[ヤマモトノブト]
1963年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。同大学メディア・コミュニケーション研究所所長。コーネル大学大学院政治学研究科博士課程修了。Ph.D.(政治学)。慶應義塾大学法学部専任講師、同助教授を経て現職。専攻は政治学、東南アジア地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

メルセ・ひすい

5
柘榴に含まれるニトロ・・・19世紀後半のフィリピンの腐敗した植民地社会への報復。宝石商として莫大な富を得たイバラはマリア・クララを解放するため、宝石を散りばめた柘榴の形のランプに隠した巨大なニトログリセリン爆弾を、植民地の全エリートが集まる盛大な結婚式で爆発させようとした…悲劇  良書!テレビ ハリウッド映画は米国の洗脳兵器!知らずしらずのうちに米国の価値観を移植される。痩身あしなが金髪白讃美? 短足胴長黄色太っちょがなぜ劣等なの? 20歳代の瘦せ♀はその後の妊娠時に糖尿病リスク膨大の悲劇はこの価値観!2012/06/27

hosikita

2
ナショナリズム研究であまりに有名なアンダーソンが3人のフィリピン人に焦点を当て、世界的な動きとの関連に注意を払いつつフィリピン革命とその時代を叙述。日本の台湾植民地化がスペイン帝国と植民地フィリピンに与えた衝撃など、興味を引かれる情報が多い。この分野に関する自分の勉強不足を痛感する。ところで295頁の注101は「イウォ」なる朝鮮王族に言及しており、君主の次男で自由主義者で革新主義者から最高の帝位継承者と絶讃されたとか書かれているが、該当する人物に心当たりがない。何となく李堈ではないかという気がするが。2019/09/15

メルセ・ひすい

2
15-158★5 旗っ、日本は敗戦後の無条件降伏の隷属の民として、米国のソフトパワーに洗脳され国旗の重要性が総国民から消失融解した★フィリピン独立運動派の秘密組織カティプーナンの旗!アナーキストの黒旗!そしてキューバの国旗の意。ナショナリズムの研究者によるなぜ3旗は非西欧の視座から描写している植民地の悲哀!19世紀末のキューバ独立運動、フィリピンの民衆蜂起、ヨーロッパの反政府活動に、3人のフィリピン人の足跡はどうつながるのか。地球規模の政治空間を詳細に描写し、国家、共同体、グローバリズムの問題を現代に問う2012/05/28

takao

0
19世紀末の民族独立運動2017/09/28

パン太郎

0
フィリピンにこれだけの教養と信念を持つ人がいたということを知ったことが何よりの収穫です。ナショナリズムはグローバリズム無しには生まれ得ないのかな..2016/01/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4603040
  • ご注意事項

最近チェックした商品