NTT出版ライブラリーレゾナント
ボードリヤールという生きかた

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  • サイズ B6判/ページ数 246p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784757141131
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0010

出版社内容情報

★本書は『書評空間 KINOKUNIYA BOOKLOG』にエントリーされています。

内容説明

あまり知られていなかった生い立ちや、主要著書の読解、近年の活動を通じて、その思想の本質に迫る。

目次

第1章 誰も知らなかったボードリヤール―生い立ちと思想形成
第2章 モノから始まる冒険―五月革命と『物の体系』
第3章 記号化する人間―『消費社会の神話と構造』
第4章 象徴交換とシミュレーション―『象徴交換と死』『シミュラークルとシミュレーション』
第5章 ポストモダンと人生の曲がり角―ポストモダンの時代と『アメリカ』…
第6章 「歴史の終わり」から9・11へ―『透きとおった悪』『不可能な交換』『パワー・インフェルノ』…
終章 もうひとりのボードリヤール―光と影、現代アートの体験、日本とのかかわり

著者等紹介

塚原史[ツカハラフミ]
1949年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、京都大学大学院文学研究科(フランス文学専攻)修士課程修了、パリ第三大学博士課程中退。早稲田大学法学部教授。専攻、ダダ・シュルレアリスム研究、表象文化論
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

34
バルトとバタイユは今でも言及される存在ですが、彼らと比較されることの多いはずのボードリヤールだけは忘れられた思想家にみえます。確かに、80年代にコピーライターが読んでいたといわれる『消費社会の神話と構造』をはじめとする消費社会論は、隔世の感があるなという印象です。他方で、本書でいう4章の、『象徴交換と死』『シミュラークルとシミュレーション』のシミュラークル論は、記号の消費の行き着く先が、むしろ等価交換の外部にある可能性だとする議論として参照する価値があるような気がします。2019/06/18

寛生

23
ボードリヤールについて書かれた、所謂「入門書」ーーsecondary source--はこれが初めてだと思うが、かなりすぐれた入門書である。ボードリヤールの思想の複雑さ、決して簡潔ではない思想をみごとに描写されている。ボードリヤールを読むといつも身が震え上がるような感覚を覚える。「ああ、自分も社会学者になっていればよかった〜!」と分け分からないことを感じたり。ともかく、彼の真撃な思想にはいつも魅了される。「知識人」、「写真家」として活躍し、大学という機関を離れ、さらに自由な言動、表現を追い求める。2013/07/07

ヤギ郎

12
筆者は代表的なボードリヤールの翻訳者である。(唯一ではないだろうか。)本書はボードリヤールを知り尽くしているといってもいい学者による、ボードリヤールの入門書である。ボードリヤールの生い立ちからはじまり、彼の代表作(『物の体系』『消費社会の神話と構造』『象徴交換と死』など)を原典を引用しながら年代的に分析している。ボードリヤールと写真や芸術、日本との関係などについての記述もある。原典へ入る前に読む一冊。現代消費社会を考える手がかりにもなるであろう。2019/10/06

白義

11
本邦初のボードリヤールの伝記にして入門書。極めて未来的なクールさを備えるこの思想家が祖父母由来のたくましい農民に血を内心誇っていた、という意外なエピソードから始まり、絶え間なく生産される差異の終わりなき消費によって維持される現代社会のシステムの分析者にして、文章における体現者ともいうべきレトリカルなその思想を時系列順に読み解いていて整理に役立つ。バラードやマトリックスなどに莫大な影響を与え、システムの閉塞感を語りながら、しかしその不気味な外部を指し示してもいるこの思想家が911に強い関心を示したのも当然か2017/05/21

カイロス時間

6
ボードリヤール。とてもリアリスティックで多分に挑発的。良くも悪くも「強い」人という印象を受けた。個人的にはやはり初期の消費社会の分析が刺さった。モノの機能自体ではなく記号としての豊かさが価値の判断基準となった社会。そこで消費されるのはモノの内容ではなく記号であり、しかし記号の消費では欲求が満たされることはない。今やある程度までは当たり前と直感される構造ではあるが、あらためて論証されると薄ら寒い心地がする。それは価値判断の主体性を失くしてしまったことの、「世界がわれわれを思考する」ことの不安感だろうか?2019/07/15

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