資本主義の本質について―イノベーションと余剰経済

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  • サイズ A5判/ページ数 266p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784757123489
  • NDC分類 332.06
  • Cコード C0033

出版社内容情報

社会主義から資本主義研究へと軸足をずらした、世界的経済学者による「資本主義研究・序説」。

資本主義は最悪の経済システムである。これまで試みられた資本主義以外のシステムを除けば。

社会主義から資本主義研究へと軸足をずらした、世界的経済学者による「資本主義研究・序説」。社会主義との比較から、資本主義の強み、利点を中心に述べながら、資本主義を擁護していく。

第1部 イノベーション
第1章 序
第2章 資本主義, 社会主義, 技術進歩
第3章 技術進歩の転換と加速
第4章 人間の心に歴史的現実を反映する
第5章 結語

第2部 不足経済――余剰経済
第1章 序
第2章 財・サービス市場――余剰の再生産メカニズム
第3章 財とサービスの市場:概念装置と測定手法
第4章 労働市場――余剰再生産のためのメカニズム
第5章 実証的な説明と因果分析の要約
第6章 余剰経済の効果とその評価
第7章 一般的図式からの展開
第8章 個人的なあとがき

補論1 自由、平等、博愛――社会主義崩壊以後の変化の考察
補論2 一東欧知識人の目に映るマルクス

【著者紹介】
1928年生まれ。ハンガリーの経済学者。著書に『コルナイ・ヤーノシュ自伝』 (日本評論社)などがある。

内容説明

資本主義は最悪の経済システムである。ただし、これまでに試されたシステムを除けばだが…社会主義研究の泰斗であるハンガリー人経済学者による待望の資本主義研究・序説。

目次

第1部 イノベーションとは何か(資本主義、社会主義、技術進歩;技術進歩の転換と加速;人は歴史的事実をどう受けとめるか)
第2部 不足経済と余剰経済(財とサービスの市場―余剰の再生産メカニズム;財とサービスの市場―概念装置と測定手法;労働市場―余剰再生産のためのメカニズム;実証的な説明と因果分析;余剰経済の効果とその評価;一般的図式からの応用)
補論

著者等紹介

ヤーノシュ,コルナイ[ヤーノシュ,コルナイ] [J´anos,Kornai]
ハーヴァード大学、およびコルヴィヌス大学名誉教授。1928年、ハンガリー・ブダペスト生まれ。社会主義と資本主義という比較の中から「ソフトな予算制約」、「反均衡」、「不足の経済学」といった新たな概念を提起しながら、主流派経済学に対して従来の概念への再考を迫っている。自らを「異端」と位置づけながらも、国際計量経済学会、ヨーロッパ経済連合、国際経済学連合の会長を歴任し、世界的に経済学界をリードしている

溝端佐登史[ミゾバタサトシ]
京都大学経済研究所教授・所長。1987年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程退学。博士(経済学)(京都大学、1997年)

堀林巧[ホリバヤシタクミ]
金沢大学人間社会研究域経済学経営学系教授。1981年大阪市立大学大学院経済学研究科後期博士課程退学。博士(経済学)(京都大学、2014年)

林裕明[ハヤシヒロアキ]
島根県立大学総合政策学部准教授。2001年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程退学。博士(経済学)(京都大学、2004年)

里上三保子[サトガミミホコ]
京都大学経済研究所研修員。2014年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程退学。修士(経済学)(京都大学、2006年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Mc6ρ助

15
あ〜う〜、富の再分配はイノベーションを阻害するだなんて(正確には言ってることは富の不平等がイノベーションを加速するだけど)。平等化を行う所得分配は(財やサービスの)不足を悪化させるだなんて(p177)。いや99%の富を1%の人が占有したり子供の貧困率が十数%とか高校生の十数%がヤングケアラーだったりする社会じゃなくしたいだけなんだけど。だから見えざる手に任せず政治が大事ということに落ち着くのか・・。2023/07/22

朝ですよね

5
資本主義の内在的特性(これが表題の本質という意味だろう)として、イノベーションと余剰経済という2つのものを取り上げている。ハンガリーの工業生産にとっての障害というグラフが掲載されており、資本主義化により不十分な供給が不十分な需要に移り変わる様子が表れていた。余剰はモノだけでなくヒトにも起こるもので、ヒトの余剰は高い失業率という社会的に望ましくないものとして現れる。コルナイは一般均衡を批判するが、常に生まれる余剰なども含む数学的な定式化までは自分にはできなかったことを認めている。2022/08/16

Oki

1
筆者はイノベーション(テクノロジー)の無限拡大はよしとしているようだが、個人的にはそこはグレイ。 無限拡大をよしとできない順番は下記のような感じか。 1:人口,2:資源消費,3:GDP,4:テクノロジー,5:幸福度 2024/01/18

takao

1
p.46 急速な革新やダイナミズムは資本主義というシステム特有の性質に根ざしたもの。偉大な革新的な新製品を作りだせないことや技術進歩が遅れることは、政策に誤りがあるからではなく、社会主義というシステム特有の性質に深く根ざしたものである。 2023/10/19

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