出版社内容情報
きたるべき金融危機に備えて
1980年代以降、急速に進んだ金融の自由化、金融技術革新、規制緩和などが、グローバル化の進む金融システムの不安定性を徐々に高めている。リーマンショック後の金融の規制、政策の流れはどこへ向かうのか。世界の現状を踏まえつつ、日本の金融政策のあり方を考察する。
第1部 1980年代以降リーマンショックまでの金融システム
1 金融システムの構造変化――技術革新とグローバリゼーション
2 マクロ経済と金融システムの不安定性
第2部 金融市場の変化と規制・監督政策の変化
3 規制緩和の背景と自己資本比率規制
4 歴史的にみた金融危機の背景と対応
第3部 リーマンショックとその後の規制監督改革の動き
5 リーマンショック――経緯と深刻化の背景、影響
補 カナダはなぜリーマンショックによって大きな打撃を受けなかったのか
6 ポスト・リーマンショックの規制監督体制の整備
7 規制強化の流れ
第4部 欧州債務危機以降の国際金融市場
8 欧州債務危機
9 米国の金融緩和の出口と中国のシャドウ・バンク
10 日本の課題を考える
【著者紹介】
日本総合研究所理事、早稲田大学客員教授。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程修了。京都大学博士(経済学)。日本銀行を経て1992年より日本総合研究所勤務。金融審議会委員を歴任し、現在に至る。著書に『金融危機とプルーデンス政策』(日本経済新聞出版社)などがある
内容説明
規制緩和から監督の強化へ危機から世界は何を学ぶのか。リーマンショック以前・以後の金融市場が抱える諸問題を展望し、欧州債務危機・量的緩和の出口をめぐる議論まで危機の根源を探る。
目次
第1部 一九八〇年代からリーマンショックまで(金融システムの構造変化;「大いなる安定」)
第2部 規制緩和の時代(規制緩和はどのように進んだのか;金融危機を振り返る)
第3部 リーマンショックから規制強化へ(リーマンショックはなぜ起こったのか;ポスト・リーマンショックの規制改革 ほか)
第4部 欧州債務危機以降(欧州債務危機;米国の金融緩和の出口に向けて ほか)
著者等紹介
翁百合[オキナユリ]
1960年生まれ。日本総合研究所理事、早稲田大学客員教授。京都大学博士(経済学)。82年慶應義塾大学経済学部卒業、84年同大大学院経営管理研究科修士課程修了、日本銀行を経て92年より日本総合研究所。産業再生機構産業再生委員、金融審議会委員などを歴任。2006年第1回円城寺次郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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