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出版社内容情報
暗黙知の感触、気配を配信する新しい技術として、石井はタンジビリティというメディアを提案している。彼のプロジェクトは科学技術、ア-トやデザインを統合しようという野心的なもので、人間とデジタル情報と物理的世界の間の滑らかなインタ-フェ-スを提供しようというものである。デジタル情報を人間の手で直接操作できるものとすることで、人間の認知感覚にうったえる技術であり、著者らは本技術とアウェアネス技術を融合することで、暗黙知の感触、気配をも人間の周辺的知覚に配信できると確信している。
●知の組織的な創造
90年代の初頭に流行したBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)は業務プロセスの効率化を追求するあまり、組織の中に埋め込まれていた重要な知識を流出させ、コーポレート・アルツハイマーと呼ばれる現象をもたらした。このような問題を克服できる視座が知識創造の理論であり、その実践はナレッジ・マネジメントによって展開される。
企業やコミュニティーの活動の本質は、知識の創造、活用、蓄積からなるダイナミックなプロセスである。しかし、この本質は、われわれの目には見えないことがある。知識は、科学の公式や製品の仕様書のように書かれたものとしての形をとるばかりではなく、言葉にはできない技能やものの見方、あるいは慣習の中にも埋め込まれているからである。
知識科学は、そのような知識の重層的な構造を解明するとともに、書かれざる知識に形を与え、組織的に共有できるモデルを作り、さらには新しい知識を創造するメカニズムの構築を目指す。それは、見えない本質に光を当て、企業やコミュニティーに未来を切り拓くための変革の視座に立つことに他ならない。
内容説明
日本人初のMITメディアラボ教授・石井裕率いるタンジブル・ビット・プロジェクトの全貌。
目次
タンジブル・メディア―アトムを着るビット
隣の石井先生
進化し続けるメディアラボ
タンジブル・ビット・プロジェクト
海岸線にて
タンジブル・ビット展に寄せて
軽やかに接続するメモリーボード
ヴァーチュアルとの対面からヴァーチュアルの体現へ
タンジブル・メディア―認知科学の視点から
デザイナーとしての石井裕〔ほか〕