内容説明
源平合戦には、主だった人でも義経、武蔵坊弁慶、木曽義仲、斉藤実盛、平維盛、梶原景時、文覚、巴、佐藤忠信など、数え上げたらキリがない。その中でも筆頭は本書の主人公、源九郎義経だ。じつは義経は宇治川の戦いから壇ノ浦まで1年弱しか活躍していない。その他の時間はほとんど不遇だ。だいたい31歳で死んでいるので長生きともいえない。しかし、今いったように、日本の歴史をたった1年で大きく変えてしまったのだ。だからこそ「判官びいき」というコトバが生まれ、今でも多くの国民に愛されている。本書は学術書ではないので、言い伝え、芝居などもふんだんにいれて楽しんでいただけるよう構成している。序盤と終盤は『義経記』で、中盤は『平家物語』を中心にしてある。
目次
第1章 義経の誕生と子供時代―武士社会への産みの苦しみがあった
第2章 清盛、弁慶、頼朝…―サブキャラがゾクゾク登場する
第3章 平家の天下が衰退する―おごる平家は久しからず
第4章 平氏の敗戦で「終わりの始まり」―水鳥の音で逃げたのがケチのつき始め
第5章 木曽義仲に義経が「待った!」―義経の活躍の始まり
第6章 一の谷の戦い。戦いの天才性を発揮―天才義経の鵯越えの逆落し
第7章 屋島の戦いは嵐の中―海でも奇襲攻撃をしかける
第8章 壇ノ浦の合戦と平氏の滅亡―壇ノ浦では天の力と人の力を生かす
第9章 逃亡生活が始まった―勝ったばかりの義経が逃亡とは…
第10章 義経の死と生脱伝説―平氏も、源氏も、藤原も、滅ぶ