内容説明
古典からポスト構造主義へ、中世の恋愛詩から世紀末万博へ、美と合理の循環する「ファンタスマ」という文化表象の時代的相貌を、縦軸に言語的‐視覚的想像力を、横軸に記号論‐精神分析‐芸術論‐テクスト理論を据え、アリストテレスから、マルクス、ボードレール、ベンヤミン、フロイトへと追うクロスオーヴァーな文化表象論の精華。エロスとメランコリーとフェティシズムの渦巻くポスト現代の万神殿を縦横無尽に脱構築する壮大な知的試み。
目次
第1部 エロスの表象像(白昼のダイモン;メランコリア1;メランコリックなエロス ほか)
第2部 オドラデクの世界で―商品を前にした芸術作品(フロイト、あるいは不在の対象;マルクス、あるいは万国博覧会;ボードレール、あるいは絶対商品 ほか)
第3部 言葉と表象像―一三世紀の恋愛詩における表象像の理論(ナルキッソスとピュグマリオン;鏡の前のエロス;「想像の精気」 ほか)
第4部 倒錯したイメージ―スフィンクスの観点からみた記号論(オイディプスとスフィンクス;固有のものと固有でないもの;壁と襞)