内容説明
トマス・ゲインズバラの描く少年の衣裳とモデルの謎の、ウィリアム・ブレイクの中世彩飾写本の、リチャード・ダッドの描く奇矯な妖精たちの、J・M・ホイッスラーのヴァーチャル・リアリティの、バーン=ジョーンズの描く哀しきアンチヒロインの、スペンサー・スタナップの「人生の二つの危機」の、オーガスタス・エッグの描く純愛と快楽の旅の、近代都市ロンドンを明るく暗く彩る花売り娘の、イギリス近代の絵画表象の…中へ!
目次
プロローグ 絵画というフィクション
第1章 “ブルー・ボーイ”とは何者か―トマス・ゲインズバラの「ファンシー・ポートレート」
第2章 装飾の喜び―ウィリアム・ブレイクと中世彩飾写本
第3章 リチャード・ダッドの見果てぬ夢―シェイクスピアのファンタジーを追って
第4章 一八五九年のヴァーチャル・リアリティ―ホイッスラー初期のテムズ河風景
第5章 アンチヒロイン偏愛―バーン=ジョーンズ“シドニア・フォン・ボルク”
第6章 スペンサー・スタナップとラファエル前派―「人生の二つの危機」をめぐって
第7章 無垢とエロスの合わせ鏡―オーガスタス・エッグ“旅の道連れ”考
第8章 ロンドンの花売り娘―近代都市の表象となるまで
エピローグ イギリス絵画のワンダーランド
著者等紹介
小野寺玲子[オノデラレイコ]
横浜美術大学美術学部教授/イギリス美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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