出版社内容情報
本書は、シュタイナーの仏陀論の最重要文献であり、仏教とイエス・キリストおよびキリスト教の深い関係を、外面的な学問研究の手段ではなく、人智学的探究によって明らかにしました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
104
シュタイナー教育の創始者として有名なルドルフ・シュタイナーが、ルカ福音書と仏教の関係について語った本。一口で言えば、キリスト教は仏陀の導きによって生まれたという内容。世の中の常識からはあまりにかけ離れた内容なので、初めて読んだ時のように戸惑いを感じた。簡単に受け入れがたい内容だが、シュタイナーの提示するヴィジョンのなんと美しいことか。仏教とキリスト教の本当の意味を、読者に生き生きと伝えてくれる。自分という狭い枠を超えて、本当の意味での愛を世の中に浸透させること。これがシュタイナーの言うキリスト教の精髄だ。2017/06/07
Gotoran
43
仏陀とイエスキリスト及びキリスト教との関係の深さを人智学的探究によって解き明かした本書は、シュタイナーの仏陀論の最重要文献であると訳者は云う。マタイ福音書とルカ福音書との間にある大きな違いが精神科学的探究にて明らかにされる。2人のイエス、2組のイエスの家族、ナザレのイエスにはアダムと仏陀が再受肉しベツレヘムのイエスにはゾロアスターが再受肉・・ナザレのイエスと合体・・キリスト衝動とゴルゴダの秘儀・・。俄かには信じがたくも実に興味深かった。知的好奇心が擽られた。2019/09/11
デビっちん
20
仏教とキリスト教とのあいだにある深い関係を、精神科学をツールとして明らかにしたのが本書です。一見すると、まったく別の宗教のはずなのに、シュタイナー氏の構造を使うと「そんな解釈ができるのか!?」と隠されたメッセージがアリアリと浮かんでくることに知的好奇心が刺激されます。この構造を色々な概念に当てはめてみると、いつもとは違った世界が垣間見えそうです。2021/02/08
沙羅双樹
8
仏陀からキリストにどう繋がったのかがありありと書かれている。この本を読んだ後、聖書を読むとまた新たな面から吸収することができるでしょう。それにしても凄まじい読書体験だった。ノンクリスチャン、クリスチャン問わず楽しめる書。2022/06/29
無能なガラス屋
4
「秘儀参入にはさまざまな種類があります。ある種の秘儀に参入した者は、すぐに自分のなかに高次の世界の認識が輝き、霊的世界の過程と法則を見ることができます。べつの種類の秘儀に参入した者は、まず萌芽が魂のなかに植えつけられ、その萌芽が、つぎの人生において芽を出すのを待ちます。つぎの人生において、前世に植えつけられた萌芽が現われ、秘儀参入者となるのです。」2024/01/13