内容説明
深い山あいの谷川の近くに一本の桜の老木がありました。やがて嵐が起こり、枝は折れ、谷川に流されます。一本の木は川を流れ、やがて大海原を漂います。どこにいてもどのようになろうとも確かなことは、自身が一本の木であるということ―。
著者等紹介
くすのきしげのり[クスノキシゲノリ]
児童文学作家
ふるやまたく[フルヤマタク]
画家・イラストレーター。岩手県生まれ。東北学院大学史学科卒。アニメーター、広告制作会社を経て、イラストレーション、個展、講演まで幅広い分野で活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
57
作者くすのき しげのり さんが目指す生き方が書かれている。「あとがき」を読んで確信。絵はふるやま たく さんという方。初めて出会う画家さんで、ガブリエル・バンサンのようなタッチのモノクロの絵はとても雄弁に、一本の木がたどる数奇な運命を語っている。「ひとは みな、一本の木である。」「ただただ自分が一本の木であるということ。」深い。2024/03/14
ムーミン
35
よくよく絵に向き合って、自分の中に物語を作っていく作品です。2023/07/28
ヒラP@ehon.gohon
21
一本の桜の木が、嵐で倒れて、川に流されました。 荒削りなデッサンのような絵に、「一本の木がありました」という一言だけが記されているのみで、あとはイマジネーションの世界です。 折れて、削られて、様々な姿で、人と関わっている一本の桜の木に、自分自身を投影するのも良いでしょう。 深みのある、大人のための絵本のように思いました。2024/03/22
spatz
14
一本の木の一生。 絵のみで語りかけてくる。 こんなものに出会う時、言葉のむなしさを感じるほどだ。 アスファルトとコンクリートに囲まれて生活していると、土にふれ、そこに息づくものたちがまさに生きていることを痛切に感じ取る瞬間がある。言葉は交わすことがなくても。 #NetGalleyJP 2023/07/20
ヒラP@ehon.gohon
12
【再読】大人のための絵本2024/04/06