内容説明
どんな時代にどんな色彩が流行していたのか?時代別にたどる日本の美しい伝統色とその配色。
目次
第1章 古代
第2章 飛鳥・奈良時代
第3章 平安時代
第4章 鎌倉時代
第5章 室町時代
第6章 安土桃山時代
第7章 江戸時代
著者等紹介
城一夫[ジョウカズオ]
共立女子学園名誉教授。色彩文化を中心に、美術、装飾芸術、ファッションなど幅広い分野で執筆を行う。多数の著作のほか、色彩に関するテレビ番組監修や展覧会の企画構成なども手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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高宮朱雀
14
軽く一巡目。古代〜江戸時代までの色彩史について纏められており、著者曰く、明治以後はまた機会を見て…との事。 色彩だけに拘らず、その時代の主な歴史上の出来事や活躍した芸術家についての補足もあり、網羅とまでは言えないだろうが美術と日本史を同時に学べる一冊。とにかく写真が綺麗で、それだけでも充分楽しめる。 個人的に源氏物語が好きなので、姫君達の色彩、襲の色目は特に惹かれる分野。源氏香をいつか刺繍に起こしたい、自分流に源氏物語を詠んで見たいと思っているが、後者は中々難しい。 2020/04/24
秋良
13
時代ごとに日本で使われていた配色を掲載した事典。印刷が綺麗で原料の画像もあるのが面白い。古代から平安、戦国を経て江戸へ繋がる流れの中、思想を反映した色が流行していたことが分かる。パッと見て綺麗な原色から、分かる人には分かる洗練された渋色へ。現代も不況だと女性の眉が細くなって、景気が良くなると赤リップが流行るという説があるし、内面と外面の結びつきは思った以上に強いのかもしれない。2022/05/04
takakomama
3
印刷の色が綺麗で眼福。色ではなく、時代別に色彩史をたどっています。室町時代の墨色、安土桃山時代の金色、江戸時代の「いき」など、各々の時代の文化や技法、文様を反映した新しい色や流行があります。平安時代の季節に合わせた襲の式目が雅やかです。 2021/03/08
あたぱ
1
借りて読んだ。日本の豊かな色彩文化の歴史をたどりながら、各時代に配色を豊富なビジュアルで解説した事典。 例えば、古代の配色の特徴は、「赤、黒、白、青」とシンプル。この色使いは、日本神話に基づいて推察されている。古代に使われていた色材の原材料の名前と写真が載っているのも興味深い。手に入れるのが難しい色材が有るため、権力者しかその色が使えない、というのもよく分かる。個人的には、安土桃山時代の、「綺麗さび」「姫さび」が面白かった。色彩に関わる専門職にも十分応える内容ながら、一般の読者も楽しんで学べるのがよい。2020/06/13
kaz
1
日本の時代ごとの配色を紹介。色遣いの変遷がわかって面白い。かつては派手、雅だったが、江戸では粋が大事。多様な茶色の使い方がよくわかる。 2020/07/12