内容説明
すべての編集者、必読!『少年サンデー』『女性セブン』など幾多の創刊・編集にかかわってきた男が、今、次世代の編集者に伝えたい!渾身のラストメッセージがここに!
目次
1 はじめに
2 出版という仕事
3 編集という仕事
4 企画について
5 言葉・文章について
6 編集者のフットワーク
7 日々雑感ボクの秘かな企画メモ
8 おわりに
著者等紹介
豊田きいち[トヨダキイチ]
1925(大正14)年4月6日~2013(平成25)年1月10日。東京都生まれ。旧制獨協中学校、旧制第二高等学校(宮城県仙台市)を経て、陸軍予備士官学校で終戦を迎える。1943(昭和18)年・早稲田大学入学。師である言語学者・金田一京助氏の移動に伴い、1946(昭和21)年・國學院大學に転入。1949(昭和24)年卒業。同年4月・小学館入社。編集長、編集部長、編集局長、出版部長、取締役を歴任。1984(昭和59)年小学館退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ユーカ
22
若いころに社長から何度も聞いた話に似ていて懐かしい気持ちになった。そんで、私も同年代の編集者とこのような話をしては取材と取材の間の待ち時間を消化していたりする。私は今の技術を使いながら気質は昔ながらの編集者で、一緒に仕事をしている編集者も同年代で同じようなタイプか自分よりも上の年代の人なので、若い編集者がどのような姿勢なのか知る機会がない。それはとても残念なことだなと思う。きいちさんはこれを語る時、今の若い編集者のことをどれくらい知っていたのかなと思った。2016/12/10
ステビア
17
ベテラン編集者による含蓄に満ちまくった(というような崩れた言葉遣いを著者は戒めているが)メッセージ。ここで述べられているような編集者像は理想的なものであり、現実には存在しないと著者も断っているが、それにしても自分とのかけ離れ具合に悲しくなったりもして。2020/03/04
チェアー
17
冗長だし繰り返しが多いし、いいこと書いてるけど作りとしてはなあ、と思って読んだが、あとがきを読んで一変。聞き書きで、まとめようと思っていた矢先に豊田さんは亡くなったのだという。なら、出版界を憂う一出版人の遺言として大きな意味があると考えを改めた。常に新しい企画を考える、言葉を大切にする、他人と差別化し自分しかできないことを考える、というのは私も日頃考えていることで共感。色の違いがわかること、想像、連想ができることもなるほど。他人に関心を持つことはどんな仕事にも共通の大切なことなんだなあ、きっと。2016/10/21
がんもどき
8
「小学一年生」の初代編集長豊田亀市氏の語りをまとめたもの。編集という仕事に関わる人の心がけなどが残されている。ただ、ところどころ漢字をカタカナに開いてるところ(「アルイハ」「モシクハ」)は目が滑って読みにくかった。聞き手の問題かもしれないが、文章の組み方もあまりいいセンスを感じないなあ。そこが残念。2023/02/28
ganesha
5
1925年生まれの元編集者の最晩年に行った10回のインタビューをまとめたもの。出版や編集、本の企画についてや、師事した金田一京助、親交の深い瀬戸内寂聴や有吉佐和子のことなど興味深く読了。「編集者は、食いしん坊の方がいい。食べ物のウマいマズいが分かる人は、色のデリカシーも、人間関係のデリカシーも分かる」という言葉が印象に残った。2022/12/07