内容説明
アートディレクター高岡一弥による、圧倒的「地獄」のグラフィックス。さまざまな経典をもとに源信が著した『往生要集』を始め、国宝「六道絵」、国宝「北野天神縁起絵巻(承久本)」、白隠筆「地獄極楽変相図」、河鍋暁斎筆「地獄極楽図」、耳鳥斎筆「地獄図巻」等、連綿と生み出されてきた日本独特の「地獄」の大パノラマ。彼岸、此岸に極楽浄土の様や心の平安を願うなら、その対極にある地獄なるものの姿をよく観ろと源信は説く。
著者等紹介
高岡一弥[タカオカカズヤ]
1945年京都府生まれ。アートディレクター。数々のグラフィックデザインと広告を手がける。出版では『千年』(毎日新聞社)で講談社出版文化賞、『和の菓子』(ピエ・ブックス)でグルマンベストデザイン賞。映像展『彼方へ』『エイズ東京エキシビジョン』等、イベントを主催。日本グラフィックデザイン展金賞、全国カレンダー展内閣総理大臣賞、ADC賞受賞。大阪芸術大学教授
梶谷亮治[カジタニリョウジ]
奈良国立博物館名誉館員。九州大学文学部卒。熊本県立美術館、奈良国立博物館を経て東大寺ミュージアム(~2014)
西田直樹[ニシダナオキ]
作新学院大学女子短期大学部教授。博士(文学)。立正大学大学院文学研究科博士後期課程修了(国文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ナハチガル
22
図書館本。厚い。重い。の割に定価は良心的。素人目には表現方法や技術は様々だが、地獄のシステムや責め苦のスタイルが固定しているのは意外だった。逆に言うと自由度は低い。だからこそ工夫やオリジナリティが見どころでもある。阿鼻地獄に落とされた罪人は2000年間頭を下にして落ち続けるとか、等活地獄で受ける苦しみは「人間の時間に直せば、1兆6千6百53億1千2百50万年」だとか、イメージを喚起するシンプルな言葉も相まって、日本人の倫理観に影響を与えてきたのだろう。A。【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の一・和編〉2023/08/20
粋
6
地獄絵ってやっぱり面白いな。アップで見れるのが魅力的。でも、西福寺の《熊野観心十界曼荼羅》の制作年代は納得いかないな。2019/04/17
ヨモギ
3
図書館で巨大な本が出てきて焦った。小さい頃尾道の耕三寺にある千仏洞地獄峡で地獄絵を見てトラウマになった。この本を見て大人になった今もスン…となった。人を痛めつけるグロ絵をこんなにも生み出している時点で人間の世界がすでに地獄だわと思った。2024/09/13
ルナティック
2
いや、コレは良いですね。正直ある程度知識がないと、詳しくは分からない気がするが。本当に地獄絵図が好きで(笑)細部まで見れたら嬉しいナァ(笑)とお思いの方には、天からのギフトのような一冊です。その分説明が少ないのですが。後半になると、他の地獄絵図本では紹介されていないようモノがあって、嬉しくて踊りそうになる(笑)地獄に拘らず、惨酷絵図になっているものもあるが。特に驚いたのは、羽織の裏に描かれた惨酷な絵図。血塗れの女の磔図と首を括った男性の絵図。見えないように仕立ててある。個人の希望でとの事だが・・・怖ッ2017/12/05
おおきなかぶ
2
最後の佐野次朗左衛門の表情が劇画調で印象に残った。2017/09/10