内容説明
美しい「紙の本」の壮大な歴史と物語。中世の豪華な装飾写本、初期の印刷本、17‐18世紀の挿絵と図鑑。ウィリアム・モリスによって定義された「美しい本」、19世紀のプライヴェート・プレス。モダン・デザインとアヴァンギャルド、タイポグラフィの発達、花の様式の変遷etc。
目次
第1章 美しい本の歴史(中世写本;初期印刷本;17‐18世紀;19世紀;19世紀末;20世紀)
第2章 装飾の花園と理想の文字を求めて(美しい花の本;美しい文字の本)
著者等紹介
海野弘[ウンノヒロシ]
1939年東京生まれ。評論家、作家。早稲田大学ロシア文学科卒業。平凡社に勤務。『太陽』編集長を経て、独立。美術、都市論、文学、映画、音楽、ファッションなど幅広い分野で執筆を行う。著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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日曜日のクマの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かりさ
92
本が好きです。装丁の美しいもの、幾多の本好きの手に渡ったであろう古書なら尚更ときめきます。世界の美しい本を集めた本書は、本当の本の話から始まり、写本から印刷本へと文化巡る本の歴史、装飾と挿絵の本の美術史へと美しい図版と詳しい解説…この書物自体が美しい本と成っています。ケルト、ロマネスク、ゴシック、ルネサンスの中世写本美術の美しさ、バロック、ロココ、ヴィクトリア様式、アール・ヌーヴォーへと移ろう印刷本。美しいタイポグラフィにもうっとり。美術史として、デザイン本としてこれは手元に置きたい!と胸熱くするのです。2016/08/08
コットン
78
ケルズの書や時祈書から始まる美しい本とその関連の紹介。 ウイリアム・モリスのプライベート・プレスの影響が世界に広がりアメリカではポップデザインへと変化しているのが面白い。また、アールヌーボースタイルのオーブリー・ビアズリーやアルフォンス・ミュシャ、ファッション画のジョルジュ・バルビエ等。ブックデザインやカリグラフィーやタイポグラフィについても簡単に説明されている。2021/08/30
けんとまん1007
62
本というものの歴史であり、人というものの歴史であり、文化の変遷を感じる。写本の素晴らしさというか凄さには、唖然とするものがある。グーテンベルグの活版印刷の意義と、その後の変化の大きさ。知見が保存でき、かう、広がることの結果が、今という時代につながっている。それにしても、ここまでくると芸術の域で考えてしまう。2022/11/01
ヒデミン@もも
54
想像していたものではなかったが、本の美しさに魅了された。紀元前から始まる本の歴史はやはりキリスト教なしでは語れない。それにしても素晴らしい。ため息が出る。topicが楽しめた。2016/04/27
ちえ
41
前書きにあたる「美しい本のすばらしい世界」という文章から引き込まれた。中世の写本から20世紀の本まで。本の歴史や文化、繋がりが見せられる。ケルトの写本から始まる前半の本、どれもいくら眺めても見飽きない。2023/01/19
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