著者等紹介
イングラム，キャサリン［イングラム，キャサリン］ ［Ｉｎｇｒａｍ，Ｃａｔｈｅｒｉｎｅ］
美術史家。グラスゴー大学でハニーマン賞を受賞、第一級優等学位を取得。１９世紀美術を専攻したコートルード美術研究所では修士号を取った。さらに、オックスフォード大学トリニティ・カレッジの研究員となり、哲学博士号を取得。その後、オックスフォード大学モードリン・カレッジの特別奨学生に。クリスティーズの文学修士コースで教鞭を執り、インペリアル・カレッジでは科学専攻の学部生たちに美術史を教える。また、テート・ギャラリー主宰の講座を受け持ち、サウス・ロンドン・ギャラリーの個人助手も務める
ドクールシェル，アニエス［ドクールシェル，アニエス］ ［Ｄｅｃｏｕｒｃｈｅｌｌｅ，Ａｇｎ｀ｅｓ］
イラストレーター。おもに鉛筆と水彩絵具を用いた作品を手がける。２００１年にパリ国立高等美術学校を卒業、イラストレーション学位を取得。その後はロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートでコミュニケーション・アート・アンド・デザインを専攻、２００３年に修士号を取った。パリ在住
岩崎亜矢［イワサキアヤ］
コピーライター（サン・アド）。広告コピー以外にも、「檸檬」の作詞家としても活動
富永佐知子［トミナガサチコ］
英語翻訳家。福岡県生まれ。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業。書籍やＤＶＤ・テレビ番組関連などの翻訳を手がける（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
95
マティスは自分の欲望に忠実であり本質的に、何重にも皮をかぶった男であったという。”世間に見せていたよそゆきの顔にごまかされてその強烈な芯を見失ってはならない。そうでなければマティスの芸術の魅力は、ゼロになってしまうから。”ここが芸術とは何たるかの部分であると思う。2016/06/23
harass
65
野獣派(フォービズム)で有名なアンリ・マティスの評伝と作品集。装飾に関わってきた血筋からか、各国、とくにイスラム圏などのオリエント諸国の装飾を取り入れてきて、影響がよく分かる。典型的な画家としてではなく、晩年には切り絵を手がけるようになる。個人的にあまりピンとくる画家ではなかったが、生涯を追いながら作品を眺めていくといろいろ納得できた。2017/08/22
野のこ
15
生き方、考え方も書かれてて素顔が分かる。私の好きな「ダンス」家に入ってきて初めて触れる絵をありったけの明るい印象にするために描かれたきっかけ。いい話♪アルハンブラの装飾を自分のものに、ただし家庭は放置。など、妻の機嫌をとるために旅行に一緒に行ったりと家庭問題も覗き見。晩年のマティスの笑顔が人生すべてをあらわしているみたいで、見とれました。妻から浮気の誤解をされながらも、美しい景色に感動し、制作の遊び心もわすれない、人間味溢れるとこも魅力的です。2016/11/09
さっちゃん
15
マティスは大好きな画家。彼の私生活は晩年から亡くなるまでしか知らなかったので勝手に枯れたおじいちゃんの印象を持っていたのだが、全く違った。これは一生を早送りして見たようなダイジェスト版である。自由奔放なデッサンやインスピレーションのままに切り抜かれた色紙たち。彼はモロッコやタヒチの光を官能のままに最後まで追い求めたのを知る。ただ1番印象に残ったのはマティスにとって絵を描くことが「本当に難しい。いつだって苦労してばかりだ」「とてもみじめだから」と感じていたこと。とても心に刺さった。2015/05/31
usako♪
6
マティス展の余韻が冷めやらず、図書館で借りてきました。晩年になるにつれて、明るい作品になっていく理由がわかりました。すごく憧れる生き方かも知れない。 いい！、とても簡潔にマティス生涯がえがかれてます。 マティスにとって、描くことが、心と体のメインテナンスになっていたんだと。マティス展にまた行きたくなってしまいました。展覧会最後に出てくる、ロザリオ礼拝堂については、少し触れられましたが、いつか行きたいと強く思ってます。この秋はマティスレッド色の小物を持ちたいな。2023/09/11
