内容説明
世界一有名な画家が、取り憑かれるように没頭した陶芸の世界。まるで子どものように生き生きとした感性でインスピレーションの赴くままにつくり出されたユーモラスでかわいい陶芸作品201点を収録。
目次
1 人生とミューズたち(ピカソとフランソワーズ・ジロー;ピカソとジャクリーヌ)
2 ピカソのモチーフ(ピカソとふくろう;ピカソと鳩;鳥のモチーフ;ピカソと闘牛;ピカソと山羊;ピカソと魚;花瓶、食卓、身近なモチーフ;ピカソと顔)
著者等紹介
岡村多佳夫[オカムラタカオ]
美術評論家。早稲田大学大学院博士課程修了。専門はスペイン美術史、近・現代美術史。美術展の監修を多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
266
ピカソの陶芸作品だけを集めたもの。思っていたよりもたくさんある。巻頭に並ぶのはヴィーナスとタナグラの数々。いずれもプリミティブな味わいであったり、古代ギリシャの光を感じさせるものがあったり。次いではモチーフごとに。まずはジャクリーヌ。そしてフクロウ。ピカソはフクロウのギョロリとした丸い目が自分に似ているとして、お気に入りのモチーフだったようで、かなりたくさん製作している。そして、ピカソといえば鳩。さらには闘牛とヤギ、魚もバリエーションが多数。絵画では、ピカソは何度も変貌を重ねたが、陶芸はそれに比べれば⇒2024/09/14
にがうり
10
好きだなあ、ピカソの陶芸。ゆるくってユニークで、味がある。喜々として制作したのが伝わってくる。ピカソも岡本太郎も、絵画より立体作品のほうが心に響く。仕事で疲れたとき(まさに今)眺めたい。2015/09/11
ととろ
5
どの作品も全部好き。のびのびとしていて、タッチも色合いもとにかくステキ。土をこねてる写真はないが、土台も自分で作ったのかなあ。2020/03/21
の
5
ピカソの陶芸作品をモチーフごとにまとめて解説したもの。終戦後に南仏の陶芸の町ヴァロリスで彼が作り上げた陶器は4000点以上とされ、モチーフは(戦前の怒りをぶつけた作風とは打って変わって)動物や笑顔の人といった「生きる喜び」の日常使いの食器もの。子供のように描いたと本人も語っているように、大胆にデフォルメされた無垢な絵柄で陶器が彩られ、現代の目から見てもオシャレで置いておきたくなるようなデザイン。完成形の予測が付かないからこそ、気の赴くままにドンドン作ってしまったのだろうか。2014/10/23
遊学の隠居🌊
4
中之島こども図書館にてこの本を発見。ピカソの作品はprimitiveなので、絵より陶芸で表現する方がとても良い。正直、ピカソの絵は好きになれなかった。また、ピカソの友達の岡本太郎の作品、太陽の塔も訪れた。やはり、絵よりとても迫力があるから圧倒された。2023/03/05