内容説明
たった一人で日本最初のコンピュータを作り上げた男、世界に先駆けてコンピュータの基本回路の理論を提案した人物、最初のマイクロコンピュータ4004を設計したエンジニア…。当事者26人が語る日本コンピュータ史の決定版。
目次
序章 日本最初のコンピュータ
1章 初期の怪物たち
2章 知られざる周辺事情
3章 暗中模索のプロジェクト
4章 黎明期のコンセプトメーカー
5章 通産省とIBMの駆け引き
6章 電卓戦争の勝者
終章 ジャパニーズドリームの体現者
特別章 エレクトロニクスをポケットに入れた立役者
著者等紹介
遠藤諭[エンドウサトシ]
1956年生まれ。コンピュータアプリケーションズ(現シー・エー・シー)を経て、85年アスキー入社。91年より『月刊アスキー』編集長。02年より株式会社アスキー取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オザマチ
10
今はハードウェアを学ぶ人とソフトウェアを学ぶ人は綺麗に分かれてしまったと感じる。昔の人は先人の作った道が無い中、必要に応じてどちらも学んでいて偉かった。2023/11/23
mit
7
私の父の高校時代の友人に元インテルの嶋さんがいる。私が幼い時に京都の家まで来たことがあるそうだ。私がコンピュータに興味を持った頃には、もう昔の人のように思っていた。抽象数学に嵌っていたこともあり、OSやソフトウェア科学の方が面白かったのだ。今となってみれば、電子回路や半導体と格闘し、計算機やマイクロプロセッサを作り上げた人達の熱い思いを少し羨ましく感じる。過去を知らずに将来を予測することは出来ないだろうし、ともかく歴史を学ぶことは楽しい。日本のコンピュータ史なんて、ちょっと渋い大人のための一冊だ。2013/12/04
まも
1
コンピュータで有名な企業と言えばアメリカの企業ばかりだが、パソコンという概念もないコンピュータ黎明期の日本人の奮闘をまとめたルポ。実は論理回路は日本人が発明していたり、新しい素材を使った回路の開発など、猿まねしかできないと言われる日本人像を払しょくしてくれる。コンピュータだけでなく計算尺や電卓などの開発秘話も面白い。しかし、これだけの技術者が居たにも関わらずデファクトスタンダードを取れなかったのは、標準化などで国力の差が出てしまったからなのだろうか・・・。2013/01/31
Hisashi Satake
1
読了。コンピュータの黎明期の日本人の関わりが分かり興味深かったが、戦前~戦中~戦後の話が主で、自分の世代的にはどうにも実感がわかない。4004を開発した嶋氏以降のインタビューがあったらぜひ読みたいところだが、そのあたりになってくると日本人の関わりも希薄になってゆくのだろうか。あとインタビューの冒頭にインタビューした日付を入れて欲しかった。いつのころのインタビューかがハッキリしないと、業界の現状についての言及に読者側がピンとこないところがある。読むのが遅すぎたっていうのも原因のひとつではあるだろうが。2012/10/22
sukesan1984
0
★★★★★ めちゃくちゃ面白かった コンピュータがどのように生まれたのか?という黎明期の話がいろいろな角度を携わった人へのインタビューと言う形式で展開される。 インタビュー形式なのであたかもその場で話を聞いてるような臨場感が合って飽きない。 また、本当に様々な観点で、ハード、ソフトの開発面や、ユーザーサイド、研究者、はたまた官僚、海外と多方面に渡るのでITに関わる人なら、自分と同じ立場をその次代に見いだせすといった視点でも面白い。 個人的には、南澤さんのコンピュータの普及周りの話がいちばん面白かった2018/10/20