内容説明
中国古代の詩人、蘇軾は「廬山の本当の姿を知らないのは、ただこの身が山中にあるからだ」と言っている。つまり、廬山を知るには、廬山を越えなければならない。そこで、本書では、文化、文学、歴史、教育、言語などの切り口から、アジア諸国の文化を比較し「相違点」と「共通点」を探っていく。このような比較を通じて、私たちはアジアの文化をより明確に理解することができる。ポストコロナの時代を迎えた今、この新しい理解に基づいて、アジアの比較研究がより深く、より広範な方向へと進んでいくことを切に願っている。
目次
第1章 SFは中日文化交流の架け橋になる
第2章 村上春樹の「モンゴル」イメージ―日本的オリエンタリズムの言説構築
第3章 村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』におけるモチーフ試論―歴史と暴力を読み返す
第4章 中日比較の視点からみた日本の昔話の不合理性―「花咲爺」と「猿蟹合戦」を例にして
第5章 明代崇禎期の捐納について
第6章 学生を中心とした質の高い学士課程教育を求めて―中国の学士課程教育の改革動向
第7章 中国語教科書における離合詞の扱われ方についての一考察
第8章 女性キャラクターの笑い声に関するオノマトペの日中対照研究―日本漫画『ONE PIECE』の用例から
第9章 中国語の時制句の標識付けについて