内容説明
「シンハラ・オンリー」が争点となった1956年の総選挙とシンハラ仏教ナショナリズムに依拠するその後の諸政策はマイノリティの周縁化と内戦をもたらす重要な要因となった。低位のカーストでありながらエリート行政官となったN.Q.ダヤスはこの政治過程において主導的な役割を果たした。この人物を中心に、スリランカ政治における宗教、ナショナリズム、カーストの関連を探る。
目次
第1章 スリランカのカーストとカラーワ(シンハラ社会とカースト;カラーワ・カーストとその起源 ほか)
第2章 一九五〇年代スリランカにおける政治とカースト(「変遷しつつあるカースト」;一九五四年のイギリスの報告書 ほか)
第3章 一九五六年の政治変革(ドノモア憲法と「コミュナリズム」;仏教委員会の報告書とその影響 ほか)
第4章 S.W.R.D.バンダーラナーヤカとシンハラ仏教ナショナリズム(新政権とナショナリズム;N.Q.ダヤスとS.W.R.D.バンダーラナーヤカ政権 ほか)
第5章 バンダーラナーヤカ夫人政権とN.Q.ダヤス(バンダーラナーヤカ夫人の政権獲得;N.Q.ダヤスと新政権 ほか)
著者等紹介
川島耕司[カワシマコウジ]
1958年岐阜県に生まれる。1994年ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)よりPh.D.取得。1995年名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、国士舘大学政経学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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