内容説明
このままでは皇室がなくなる。天皇の起源を歴史的観点から検証し、皇室制度の見直し論や皇位継承問題の本質を突く。
目次
第1部 皇統の危機(皇室がなくなる日;悠仁親王をラストエンペラーにしてはならない;民主党政権に皇室典範改正は荷が勝ちすぎたのか;男系継承を優先し、女性宮家の創設を)
第2部 天皇と皇位継承の原点(王権の危機と聖徳太子の挑戦;大化改新と王権をめぐる相克;皇位継承と官僚制―持統天皇と藤原不比等;天皇と律令法;天皇制度の成立)
著者等紹介
笠原英彦[カサハラヒデヒコ]
慶應義塾大学法学部教授、法学博士。専攻は日本政治史、日本行政史。首相官邸での「皇室制度に関する有識者ヒアリング」のメンバーの一人として皇室制度について論述(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
3
「果たして聖徳太子は実在の人物なのであろうか(…)かつて推古朝に大王にかわり天皇号が成立したとの見方が有力視されたように、王権の伸長を同時代に求める上から太子を七世紀の日本が必要とした歴史上の人材に仕立て上げようとする後世の政治的意向が投影されているとの理解も成り立つのではなかろうか」「太子の政治戦略をとりあげる理由は、同時代すでに蘇我傘下で渡来系の技術官僚を中心として、原初的ながらも官僚制の原型が構築されつつあったことに加え…大臣馬子に対抗するべくいかに官僚統制に腐心したかを見極めたいからである」2017/06/08