内容説明
清廉かつ剛毅な一人の内務官僚村田五郎。彼と出会った多くの人びとが各々の激動の昭和を刻み過ぎ去っていった。東条英機、近衛文麿、武藤章・井上成美などの軍人、幾多の大臣、代議士、官僚たち、そして尾崎秀美、白洲次郎、長尾よね…。五郎の目に映った彼らの行動を通して戦前・戦後の歴史の内実が忌憚なく語られる。上巻では、陸海軍の激しい相互憎悪、日中事変長期化と大戦への道、海軍の陸軍に先んずる対米開戦主張、ゾルゲ事件による日独の損害、日米交渉の決裂、などそれぞれの事象がつまびらかになる。
目次
富山時代(富山警察時代と氷見郡長時代)
東京府勤務時代
大分県警察部長時代
警視庁時代
厚生省時代
内務省警保局外事課長時代
福岡県総務部長時代
内務省地方局振興課長時代
警保局保安課長時代



